
Arts Managerを志すwackyのロンドンからの徒然メモ
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たまたま聴いていたBBC Radio4で出会った面白い番組。
Music Feature。 今日の特集は、あの有名なJ.S.Bach作曲(とされている)トッカータとフーガニ単調の疑惑を巡ってです。あー、面白い。 Bach's Toccata and Fugue in D minor for organ has delighted both audiences and musicians for centuries. Recently, however, musicologists have been suggesting this music is not what it seems. Could Bach's most famous work even be a fake? Simon Townley investigates. この作品は、現在はオルガンのための作品として世界中で演奏され、クラシック音楽愛好家でなくても誰もが一度は聴いたことがある音楽とされているけれど、本当に「J.S.Bach」が作曲したのか。問題は、バッハ直筆のマニュスクリプトがなく、写しのファクシミリしか存在しない上に「J.S.Bach」の明記が無いことや、バッハが作曲した他のどの曲にも似ていないということや、だいたいオルガンのために作曲したのかすら確定出来ないということ。かといって、バッハが作曲しなかったという証拠もない。といって、バッハ研究者やオルガニスト達が、20年以上この作品を巡って、研究/論争を繰り広げているのです。 途中、サイモン・タウンリーが面白い表現をしていました。 「J.S.Bach in CSI.」笑 Exactly!! つまり、あのアメリカの科学捜査のバッハ版だということ。でも、音楽学の研究は、ご存知の方も多いと思いますが、最新の科学を駆使して研究が行われているのです。直筆や初版楽譜の紙やインクの質の調査。(絵画分野ではX線使って実際には見えない下に書かかれた部分などを明らかにしたりしますよね)こういう研究、楽しいだろうな。モーツァルトがどうしたとか、ベートヴェンの不滅の恋人とか。単なるミーハー心なのかもしれないけれど、思い起こせば、こういう裏話が大好きで、音楽史にのめり込んだんでした。神様のように崇められる作曲家も、人間ですからね。そういう人間臭いところをちょっとでも知りたくて、裏話本を読みあさったものです。 この番組の再放送は、今週17日(土)イギリス時間の15:30〜16:00です。日本時間だと…、18日0:30〜13:00(17日24:30〜25:00)です。 PR |
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日本にいる一番親しい友人からハガキが。
表には、日頃の愚痴が。苦笑 いくら新婚でも、たまには愚痴の一つや二つもあるでしょうよ。 と思っていたら、後ろに温かい言葉が。 「無駄な経験なんて 何も無い。 今までのすべての出来事が 今のあたたをつくってるんだから。 あなたのまんまで百点満点。」 嬉しいなぁ。 自分の側にいた人にこういう言葉をかけてもらえるって嬉しい。 本当に温かくなる。 |
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水曜日の夜のこと。
夕飯の支度をしつつ、作置きスープを作りつつ、クッキーを作っていた。ら!色んな要因が重なって、指をザーックリ切り。。。。血が止まらない、ので止血をしつつ、全部料理完了。笑。血があんまり止まらないので、心臓より上に掲げたまま、止血をしてみるが、止血を外すとどばーっと出てくる。寝るころにはだいぶ良くなったけれど、とりあえず止血&心臓より上の位置はキープで寝る。でも、起きると、また血が…。おまけに痛い。 困り果てて、しょうがないので(内心「切り傷ごときで…」と思いつつも)病院行ってきました。1駅となりのSt.John's Woodの日系病院(private)に行くか悩んだけど、雪で足場も悪いし、寒いし面倒だったので、歩いて5分の公営病院(NHS)へ。 行く前に、加入している留学生保険のイギリスセンターに電話をして、保険適用のためには何が必要か確認。←こういうところは、堅実です。笑。血が止まらないんですって言ったら、電話越しにお姉さんに同情され、タクシー乗っていきますかとまで心配された。笑 ●医師の診断書(Medical Certificate) ●領収書(Reciept) をかならず貰ってこいとのコトだったので、念のため身分証明書代わりのパスポートと保険申請用紙(医師の記入欄がある)を持って、元気に歩いて、いざ病院へ。 * * * * * 大雪のおかげで病院はたぶん空いている方なんでしょう。10:45に「Emergency/Accident」で受付を済ませて、指は心臓より高い位置に保持&痛みに耐えてうーんうーん待っていると、15分ぐらいですぐに呼ばれました。噂で何時間も待たされるとかって聞いていたから、待つ準備万端(iPodと本)で行ったのに! この国、なかなか医者が登場しません。 かわりに「nurse」とか「assistant nurse」とか言うバッジの人が最初の手当をしてくれます。担当だったお兄さん(微妙に英語に訛がある)に血がいっぱい出て止まらないんですと言うと「人間の中には"a lot of"血があるから大丈夫。Calm down!」と一蹴。普通にパソコンとか置いてある文具机に、シートをひいて、治療開始。日本で見るような治療台も、銀色のケースもどこにも見当たらない。ってゆーか、ここ雑菌だらけなんじゃ?どーみても、ここはタダの事務部屋にしかみえませんが…。そんな私の疑惑はおかまいなしに、お兄さんは消毒薬と脱脂綿でぐりぐり。涙が出るほど痛い!!ひえええええ、にーさん、頼むよ。と思っていると、ポケットからひょいと痛止めを出して、飲ませてくれた。 「じゃ、my colleagueが呼ぶから外で待ってて」 と、受付に戻される。やれはて、と待つこと10分。また呼ばれた。今度は絶対肥満だよっていう体型の気のいいおばちゃん。絶対病院とは思えないカーテンで仕切られた、青い壁と流し台と文具机と簡易イスが2つあるところへ案内される。あんまりにも殺風景だし、おばちゃんはロゴ入りのポロシャツを着ているから、今度こそ「請求だ!」と思ったのに、一言目に「Did you try to add an extra breackfast menu?」。ガクっ。そんなぶきっちょじゃないよ。涙。カルテを書かなきゃいけないから、ちょっと見せてねって、今手当したばかりの所をはがしていく。(だったら最初から書けば良いじゃないか。) * * * * * 質問をいろいろされた中で、新発見だったのは、破傷風(Tetanus)の予防注射って10年に1度はやらないといけないんだそーな。で、たぶん 12歳のときやりましたと言ったら、じゃあそろそろやらないとねぇとおばちゃん。(tetanusがわからなくて電子辞書で調べると、その電子辞書に興味津々。よっぽど面白く見えたらしい。) いきなりいなくなったかと思うと、不思議な医療用の透明テープ(縫う代わりにこれで傷口をつなぎ合わせておく)と消毒用品を持ってきて、傷口を再消毒して、テープをはり(またこれが“不思議”な張り方を…笑)、医療用ガーゼ絆創膏をはって終了。薬とかつけないのね?と思っていると、長細い箱をガサゴソして、 「じゃ、左腕出してね。破傷風のワクチン打つから。」 「は?E..e. excuse me?(えええマジかよ!?と心の声)」 すぐ終わるからって、そーゆー問題じゃない。心の準備が…。 「I have never been a good friend of injections」と粘ってみるも虚しく、テキパキと注射器を組み立てていくおばちゃん。寒いのに! 脱ぐために立ったままでいると、おばちゃんは「Hold on seconds. Keep straight.」とそのまま注射を打ってくる。コトは物の1分で終了。でも、前後の消毒もへったくりもあったもんじゃない。ひええー。血が出てくるってと思ってみると、案の定出てくる。脱脂綿でぐりぐりやって「じゃ、また問題があったらいらっしゃい」と終了。 結局、ドクターには会わず、帰宅。 そして、左腕に違和感が…。 うむ。。。 * * * * * で、問題の医療費。 すごいね、全部タダ。 (病院の名前も、Royal Free Hospital。) おばちゃんにしつこく確認したけれど、発生から24時間以内の処置であれば基本的にタダらしい。留学生でも、旅行者でも、イギリス人じゃなくてもタダ。 いろんな意味で「なんてゆー国だ。」と思った1時間でした。笑 ドラマのERの風景は、イギリスでも健在です。 日本の病院って、本当に「整頓」されてるし、「病院」だよね。 ほら、消毒薬の匂いとか…。 ps:帰りにおばちゃんが、これ使いなさいっと言って、医療用の絆創膏とビニル手袋を一掴みくれました。笑 |
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BBC Radio3のプログラムに「Discovering Music」という番組があります。番組内容を毎週ポッドキャストでダウンロード出来たりします。
この番組は、曲をパーツごとに詳細に解説しながら、題名の通り「Discover」していきます。既成のオーケストラ演奏を細切れにしていくのではなく、この番組のために、オーケストラが解説に沿って、部分部分をピックアップして演奏していきます。 解説内容は、ある程度専門的ですけれども、曲/和声の構成や、楽器の組み合わせ、作曲家の意図などが中心になっています。アプローチ方法は至って簡潔で、でも非常にわかりやすいです。作品創作にあたって影響を受けた他の作曲家の作品や、逆に作品が他の作曲家に与えた影響なども解説されています。私にとっては、英語での専門用語の勉強の場になるし、何気なく聞いてた楽曲への詳しい解説で、楽曲への理解も深まって本当に「有難い」番組です。 * * * * * 今のテーマは、The Tchaikovsky Experience。 BBCをあげての盛況ぶりです。 The Tchaikovsky Experience on the BBC チャイコフスキーの生涯・作品はもちろん、人気作品のtop 10やCDガイド、バレエつながりでストラヴィンスキーについてや、リスナーのダイアリなどもあります。眺めるだけでも面白いかと思います。 更に、The Open Universityとも協力して↓のようなホームページもあります。 http://www.open2.net/tchaikovsky/interview.html * * * * * 先週は、Romeo and Juliet。 今週からは、悲愴交響曲。 iTunesのポッドキャストで、無料ダウンロードできますので、是非聞いてみてください!(iTunesは、アップルのHPから無料ダウンロード出来ます。)ただ、ダウンロード出来るのは放送から1週間の間だけですので、ポッドキャストに登録しておくと便利かもしれません。 また、過去の番組からもオンラインで視聴出来ます。 Bachから、Mozart、Beethovenはもちろん、John AdamsやTippetもあります。 http://www.bbc.co.uk/radio3/discoveringmusic/audioarchive.shtml#tchaikovsky |
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::注意:今日は、いつも以上に長いです。笑::
■持つべきものは…■ 今、取っている授業で最悪にわからない授業、それは「Indeterminancy&Improvisation Since 1950」。友人曰く「かなり絶望的な雰囲気を醸しだして」いる私。 だって、冗談にならないほど、わからない。何がわからないって、作品の意味とか、これが芸術なのかとか、美的対象なのかとか、根本的な理論以上に理解が及ばない。これでエッセイをかけって言われても、どーするの!?と悶々としていた私。 思い余って、上述の友人(作曲専攻)に、given titles(選択式論文課題)を見せて、どれが書きやすそうか聞いてみたら、親切にもこれはこーだから、この方向にしぼると書きやすいと丁寧に教えてくれました。ありがたいいいいいいいぃぃぃ。本当に後光がさして見えます。 (=_=*) やっぱり持つべきものは友です。 更に。昨日、廊下でsupervisorに会ったとき、調子はどう?と聞かれて、問題の授業終了直後で(たぶん涙ぐんで歩いてたと思う。笑)「どーもこーも、、、、マジメにわかりません。授業に予習してもついていけません。チュートリアルもなくてエッセイをどうしたらいいか困っています。」とコボしたら…、、、なんと!今朝、またもや廊下であったときに「I talked to xxxx and he is going to give you a tutorial.」と!わーーーーーーーお。私がtutorialないんですかって聞いても、ラチがあかなかったのに!さすがdirector of musicologyだわ。感激。Goldsmithsきて一番感激しました。笑。 持つべきものは的確な人脈です。 とにもかくにも、もう一つの授業、Culture, Media and the Music IndestryもGroup Tutorialで、とても良い方向にエッセイの焦点を見いだすことが出来たし、Discussionにも参加出来たし(AndyとToby?だったかな。とっても親切だった。)、これでちょっと一安心。さぁて、リサーチ開始です。 * * * * * ■成績返却■ 遂に…、初めて書いたessayがreturnedです。題名は、 Cultural Appropriation: Western Classical Music in Japan おまけに、このessayへの成績が、履修最終成績として登録されます。出席率とか、授業態度とか、あんまり関係ないと思われる学部で、エッセイだけで100%評価されるって良し悪しだと思うけれど…。少なくとも記述試験よりは、英語圏外からの留学生には有難いかも? It is charactaristic of high intelligence to avoid or forget state the obvious. で始まったfeedback。これって、専門家には当たり前すぎて書かなくていいようなコトを書いちゃったって、エラい遠回しに言われ…。それに思った通り、論証法が甘かったのが一番の問題だったらしいです。 時々、本文に「quote」とか「reference」などと書きこまれているけれど、どちらもメイン資料にした日本語の本からの翻訳作業で手一杯だったために抜け落ちていた部分。それにBourdieuのDistinctionに至っては、読む気が全く起きずに、一部分を除いては出版社レビューとかですませちゃったつけが…。ううううううむ。 でも最後に、 But a great amount of research, original thinking and very good writing style. You should re-work this later and try and publish it. と労い?とも思えるコメント…。思わず涙、浮かびました。笑。でも、リサーチ量やアイディアはともかく、writing styleには疑問あり。だって、誰かさんに「It is painful to read」とまで言われたのに?その一言で凹みまくって、残りは全部drop-inで先生たちに簡単に読んでもらっただけ。今読み直しても、よくわからない部分があったりする…。ほ、ほんとか…。もし、このリサーチを復活させるとしたら、博士課程でしょうね。うん。日本の音楽マネジメントを考えると必ずぶちあたる問題だし、やりがいはあると思います。 で、問題の成績は、2:1。上乗せ評価してもらったのかもしれないけど、初めてのAcademic Essayにしたら、上出来と自分に言い聞かせてます。(英国大学でよく使われる成績評価法についてはコチラ。) * * * * * どうやら、努力や苦労はちゃんと報われるみたいですね。 さー、脱だるだるダルメシアンでReading Week迎え撃ちます。笑 |
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You cannot be in and out of the train at the same time.
電車に、乗ったり降りたりすることは、一度には出来ません。 |
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日本から贈り物が届いた。
ピアノの先生からの贈り物。 それは、本。 青柳いづみこさんの「音楽と文学の対位法」 タイトルからして、血が騒いじゃうようなタイトル。 目次を見たら、更に興奮してしまった。笑 嬉しいなぁ、こういう本。 第1章 モーツァルト—カメレオンの音楽 第2章 シューマンとホフマンの「クライスレリアーナ」 第3章 ショパンとハイネ 第4章 ワーグナーと倒錯のエロス 第5章 ラヴェルとレーモン・ルーセル 第6章 ランボーの手、ドビュッシーの手 * * * * * 図書室でも、衝撃的な題名の本に遭遇したばかり。 Derek Scott著 「From the Erotic to the Demonic: On Critical Musicology」 春休み中に読みたいなぁと思っている本。 題名からして、wow it sounds so interesting!でしょう? 内容だって、相当わくわくです。 Description: From the Erotic to the Demonic: On Critical Musicology demonstrates how different musical styles construct ideas of class, sexuality, and ethnic identity. This book will serve as a model for musicologists who want to take a postmodern approach to their inquiries. The clear and lively arguments are supported by ninety musical examples taken from such diverse sources as opera, symphonic music, jazz, and nineteenth- and twentieth-century popular songs. Derek Scott offers new insights on a range of "high" and "low" musical styles, and the cultures that produced them. これは必読決定です。笑 * * * * * 本読むと、その言葉が私の言葉になるような気がする。 良い本をいっぱい読むと、美しい「言葉」が私の「言葉」になる。 だから、美しい「言葉」に沢山出会いたいと思う. 例えそれが日本語でも英語でも、it doesnt matter。 先生、本当に本当に本当に有難うございます! |
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おおおおおおおおおおおおおおお。
おおおおおおおおおおおおおおお。 今、アマゾンをチェックくしてたら ハリポタの最終巻発売情報を発見。 7月21日発売だそうな。 「Harry Potter and the Deathly Hallows」 ♪ ってゆーか、これ読む前に6巻読まないと。 買ったままで全く読んでない。 5巻も忙しくなって、しかも電車で読めるような薄さじゃないから 諦めて途中までしか読んでないし。 そして、どっちも現物は日本にあるし。 つまり、今すぐは読めないってことだし。 あーあーあー。 でも、5巻と6巻で誰が死んじゃうかだけは知っている。笑 えー、ずるっこして最後だけ読んだんですよ。 今更、日本語訳読みたくないしなぁ。苦笑 うーむ。 図書館で借りてみる? 大体あるのかなぁ。 |
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2007年1月29日(月) 19:30開演 英国王立オペラハウス (コヴェントガーデン) The Royal Opera Gaetano Donizetti: La Fille du Regiment「連隊の娘」 Director: Laurent Pelly Associate Director and Dialogue: Agathe Mélinand Set designs: Chantal Thomas Costume designs: Laurent Pelly Lighting: Joël Adam Choreography: Laura Scozzi Conductor: Bruno Campanella Marie: Natalie Dessay Tonio: Juan Diego Flórez La Marquise de Berkenfeld: Felicity Palmer Sulpice Pingot: Alessandro Corbelli Hortensius: Donald Maxwell La Duchesse de Crackentorp: Dawn French * * * * * Opera comiqueだとは解っていたけど…、、、、 こんなに可笑しい/面白いとは思わなかった! それよりも!! Natalie Dessay、驚異的!ブラーヴァ!! どうしたらあんな姿勢で普通の声量/響きで歌えるのか。 飛んだり跳ねたり、リフティングされたり… 鍛えられてるんだろうなぁ。 Juan Diego Flórezが日本では「新三大テノール」だとか騒がれているから、ミーハーにも彼を聴いてみたくて、チケットをとったけれど、Natalieに完全にもっていかれたオペラでした。こんなにオペラって面白いんだと初めて思ったオペラでした。オペラっていい! 何がそんなに面白いかったかというと… まず歌詞は仏語なんだけれど、わざと「How dare you!」とかときどき英語になったりしてそれが面白かったし、振り付けやNatalieの仕草はもちろん演出自体がちょっと現代的だったり、何気ない要素が面白かった。それから、指揮者。たまに軽くジャンプして指揮を降るから、1st Violinのコンマスの譜面が震えてたり、楽譜を途中で見なくなって、その後譜面がどの部分か解らなくてパタッと閉じちゃったり。 もちろん、Juan Diego Flórezも素晴らしかった。ベルカントだし、1幕のアリアは曲自体は躍動的だけれど、時間がとまっちゃうかと思うほど美しかった。と思ったら、歌い終わった後にブラボーと拍手の嵐で、3分間ぐらいそのままの姿勢で拍手を受けていた。幕後のカーテンコールもNatalieには敵わないけれど、これでもかって言うぐらい大喝采を受けていた。日本だと考えられな怒号のような喝采。拍手にブラボーに、そして床を踏み鳴らす音。 席は、学生らしく一番安い席をとったから(笑)、文字通り「天井桟敷」だったのだけれど、これがまた圧巻な眺め。ステージに限りなく近いから、舞台への死角はたくさんあるけど、でもオケピッドと客席は抜群によく見える。 よく天井桟敷は、ツウがいるって言われるけれど、本当にツウなおばあちゃん(たぶん70代)が隣に!もう何十年もオペラ座に通っていて「この公演はあんまり良いから初日から3回もみたわ」って。今度は蝶々夫人みるんですって言ったら「それは演出がすきじゃないから行かないわ」って。さらに幕間に、「前回、オペラ座で連隊の娘をやったのは1992年だったんだけれど…」と語りだして、さらにもう一人仲良くなったスザンナさん(!)と「コロシアム(国立オペラ座のこと)でやった…」と語りだす。おばあちゃん、わぁーお。 スザンナさん(オペラ座で会うには最高の名前!)は、人懐っこい可愛い人で、たぶん20代後半ぐらい。2nd Violinにお友達がいるんだとかで、オペラグラスでピッドとそれからstallsのお客さんを観察してた。彼女も頻繁に来ているみたいで、お互いに次のオペラはこれでこの日にくると確認しあって、「じゃあ、次に会うのは4月のジャン二スキッキね」と手帳に私の名前をメモしてた。笑 天井桟敷万歳! オペラ座はきている人を見ているだけでも、本当に面白い。色んな人がいて面白い。あたまは真っ白なのに、きちっとスーツを着て綺麗なブラウスを着て、ヒールもちゃんと履いている可愛いおばあちゃんもいっぱいいる。下手な批評家より手厳しいツウがいたりもする。やっぱりこういう「文化」のなかにオペラはあるんだよね。 |
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