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バレンボイム:ベートヴェンPソナタ全曲演奏会2
CATEGORY : [Music: Concerts/Recitals] 2008/02/04 11 : 02
ダニエル・バレンボイム
ベートヴェン・ピアノソナタ全曲演奏会
第2回目 

2008年2月3日(日)
15:00開演
ロイヤル・フェスティバル・ホール


Sonata in A, Op.2 No.2;
Sonata in D minor, Op.31 No.2 (Tempest);
Sonata in G, Op.14 No.2;
Sonata in E flat, Op.81a (Les adieux)


会場であるサウスバンクセンターの特設サイトにアクセスすると、マエストロのインタビューなどがきけます。期間限定だとおもわれますので、お早めにどうぞ!

http://www.southbankcentre.co.uk/festivals-series/barenboim-beethoven-sonata-cy





昨日、マエストロがFood Poisoning(食中毒?食あたり?)で『Artist as Leader』という講演会をキャンセルしたため、今日の演奏会があるのかドキドキしていましたが、5分押しで無事開演。


今日のマエストロは、濃いグレー(たぶん)のスーツに白いシャツ、ストライプのネクタイでした。日曜日の午後ということも手伝ってか、前回よりも10歳以下の子供が目立ちました。が、俄然、年齢層が高い上に「西洋人」ばっかりでした。苦笑


1曲目はソナタ第2番。
とても柔らかい1楽章とは対照的に、2楽章はどんどんテンポが落ちていき、mollに転調したところでは、葬送行進曲かと…。3楽章と4楽章は、細かいペダリングで、シンプルにまとめられていました。

2曲目は第17番「テンペスト」
全体的に遅めのテンポで、轟々と吹き荒れる嵐ではなく、12月に見たRSCのリア王を彷彿させる演奏で、何かに急に不安にかられ、静かに荒れ狂う人間の心をあらわしているかのようでした。2楽章のあの象徴的な左手のオクターブの部分は、鼓動のようにも聞こえ、なんともキザな表現とも思いいますが「母の腕に包まれているよう」でした。優しい笑みをうかべる聖母マリアさえも思い起こされました。ソステヌート・ペダルを使ってはじまった3楽章は、2楽章によどみなくあった安堵感を一気に消し去ってしまいました。けれども、なんだろう、うまく言えないですが、この歳のバレンボイムだからこそという演奏を聴いたように思いました。


休憩を挟んで、第14番。
学生時代に、試験中によく耳にしたソナタの一つですが、この作品を聴いていて、まず思い浮かんだのが、伴奏でくっついていったヴァイオリン教授のお言葉。「難しいと思うものは易しいと思うまで、易しいと思うものは難しいと思うまで、さらいなさい」確かに小中学生でも演奏出来る作品を「芸術」という域で、最高レベルまで引き上げるのは、簡単なようであって、本当に難しいことです。音のニュアンスの付け方、和音のバランス、すべてが「さすが!」でした。

本日最後は、作品81a。
なかなか演奏会で聴く機会の少ないソナタですが、ロマン派的な和音の使い方が14番とは異なり、ベートヴェンの音楽的な変化が面白く感じられました。



今日は、前回と同じ席に座りましたが、ピアノがこの間よりも鳴っているように感じました。ピアノと言うのは、図太そうに見えて、実はとても繊細な楽器で、音の鳴り方やタッチ(アクションの反応や鍵盤の感触)が場所や天気、取り扱い状態などで如実に変化します。ピアノ弾きとしては、そういう諸々を個性ととらえ、楽しいとも思えますが、いざ演奏となると、これが厄介な問題にもなります。また、マエストロ自身も、昨日の食中毒キャンセルをものともしない様子で、むしろ前回よりも「安定」した感が強かったです。何がそう思った原因なのかはよくわかりませんが、ピアノもマエストロと一緒に音楽を楽しんでいるかのようで、なんだか、この間とはだいぶ違う印象をうけました。あえて言うなら、今日のマエストロは「ピアニスト・バレンボイム」だったってことでしょうか。


休憩中にお隣にいらした英国人の初老(!?)女性とお話をしました。English Chamber Orchestraに、69〜74年までファゴット奏者(英語ではファゴットをBassonというので、もしかしたら本当にバスーンなのかもしれません)として在籍されていたそうで、その時期にバレンボイムが指揮者としてやってきたり、ソリストとしてモーツァルトを演奏したり、ズッカーマンやデュ・プレ等と頻繁に競演したそうです。まさに「Golden Age」です。その女性は、私が時々メモをとっているのに気づき、ピアニストなの?と声をかけてくださりました。ピアニストを夢見たこともありますが、今は音楽マネジメントを勉強していて、マエストロの音楽性も音楽を超えた活動も深く尊敬しています、と答えると、それがよほど興味深いと思ったのか、休憩時間目一杯に質問をしてくださいました。初老と書きましたが、たぶん70歳ぐらいのおばあちゃんです。綺麗な銀髪のショートカットに赤いコート、エンジ色のタートルとブローチをつけていらして、とても素敵でした。身長は私とあまり変わりませんが、大きな「音楽家の手」をしてらっしゃいました。

演奏会には、こうやって様々な想い出をもって、様々な理由でお客様がやってきます。そして、皆、同じ音楽を聴いて、違うことを感じ、でも、笑顔で帰っていきます。そういう空間が、そういう瞬間が私は大好きです。音楽をやっていてよかった、音楽が人生の友であるということがどんなに恵まれていて、どんなに素晴らしいことなのか、改めて音楽に感謝した午後でした。






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こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
2007年観劇ノート
CATEGORY : [Theatre/Musical] 2008/02/04 10 : 07
書き忘れていましたが、2007年12月の観劇ノートです。


Hackney Empire
Christmas Pantomime
"Dick Whittington and His Cat"

修士課程のコース仲間と共に、教授も加わって、クリスマスイベントとして行きました。日本語の「パントマイム」はエイゴで「mime」です。エイゴの「pantomime」は…、歌有り踊り有りでコミカルなミュージカルのようなモノです。とにかく、地域色をよく反映していて、皆でガハハハ大笑いして見ました。




Royal Shakespeare Campany
Starring Ian McKellan
"King Lear"

もはやチケット入手不可能と思われたイアン・マッケラン主演の「リア王」。イアン・マッケランは、映画『ロード・オブ・ザ・リング』のガンダルフ役をはじめ、日本でもおなじみの俳優ですが、英国では舞台俳優として非常に高い評価を得ています。そんな超人気公演を、知人の英国人が昔のツテを使ってなのか、チケットを手に入れてくれ、招待してくれました。原作を読む限りでは、狂気のリアに恐れ入るかと思いましたが、その反対で、お芝居が進むにつれ、どんどん「孤独」になっていくリアの「寂しさ」に息がつまり、泣きたくなりました。権威に固執する狂気。自我が生み出す狂気。孤独さが生み出す狂気。孤独になることを恐れる狂気。現代の人間社会にも、リア王も、ゴネリル、オールバニ公、リーガン、エドモンドはたくさん存在しています。何が人間をそこまで「madness」に追い込むのか。シェイクスピアが、なぜ「偉大」なのか、ちょこっとだけわかったように思いました。

Yes it was "breath-taking". The only thing I was annoyed was the kids (about 16-18?) around us. Ian McKellan is a great man. I couldnt understand at all why Shakespeare is such a legend, but I think I now know why he is: not because he wrote in English, but because he wrote the fundamental aspects of human being. I was almost crying to feel Lear's loneliness. He was mad because he was lonely and he was so frightned to be lonely. But there was another madness. The madness from egoism. This madness reminds me "Honour Bound" (I saw this production at Barbican weeks ago.) and what the american did to people in prisons in Afghanistan. Sense of superiority and self-glorification.





こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
バレンボイム:ベートヴェンPソナタ全曲演奏会1
CATEGORY : [Music: Concerts/Recitals] 2008/01/31 10 : 35
ダニエル・バレンボイム
ベートヴェン・ピアノソナタ全曲演奏会 
第1回目

2008年1月28日(月)
19:30開演
ロイヤル・フェスティバル・ホール


Sonata in F minor, Op.2 No.1;
Sonata in E flat, Op.31 No.3;
Sonata in B flat, Op.106 (Hammerklavier)



会場であるサウスバンクセンターの特設サイトにアクセスすると、マエストロのインタビューなどがきけます。期間限定だとおもわれますので、お早めにどうぞ!

http://www.southbankcentre.co.uk/festivals-series/barenboim-beethoven-sonata-cy




心から尊敬する人物の一人であるバレンボイムの、私にとって初めてのピアノソロ演奏会。それが、ベートヴェンピアノソナタ全曲演奏会シリーズになるとは!How lucky I am!!!

まず、この演奏会の客層が、本当にステレオタイプな客層(いわゆるWhite-Middle class British)で、アーツマネジメントを学んでる身としては、思わずマーケティングの用語が頭の中をぐるぐる回って、でも、こういう雰囲気を「楽しい」「心地よい」と思う自分にもちょっと驚いたり…。でも冷静に考えると、私はこういう環境のなかで育ってきたので、当然なのかと思うと、やっぱりこれもブルデューのいう「Habitus」で、結局「Cultural Capital」なのかなと思ったり…


さて、マエストロ。
黒いシャツに燕尾服で、白いハンカチを片手に颯爽と登場し、ステージ上の客席(コーラス席)にも深々とお辞儀。

ピアノソナタ第1番(Op.2 No.1)は、私が初めて取り組んだベートヴェンソナタでもあるため、なんだか個人的な思い出の回想が終始忙しく、はっと気づいたら1楽章終了。こんなにあっさりしていた楽章だったかなと思いつつ、2、3楽章へ。神がかったような細やかで柔らかい音の連続とは対照的な希薄ある4楽章。自分が学んだ曲と同じとは到底思えない演奏でした。

18番(Op.31 No.3;)は、風がさわやかに吹き抜けていくようでした。

休憩を挟んでの29番『ハンマークラーヴィア』は、ベートヴェンが当時持っていたピアノの機能性を最大限に活かして作った作品。ピアノが生み出せる様々な表情が凝縮された作品。特に印象深かったのは、3楽章で、マエストロが螺旋を描くように生み出す不思議な空間に、呼吸をするのもわすれるほど、吸い込まれていきました。4楽章は、途中、マエストロの魂がどこかに飛んでいってしまったような瞬間があったにせよ、作品をそこからわしづかんだような深い味わいのある演奏でした。


日本語で何と訳したら良いのかわからないのですが、とにかく作品ひとつひとつとのengagementの深さが伝わってくる演奏でした。

マエストロの演奏を聴いていて強く思ったのは、私はベートヴェンを聴きにいったのではなくて、バレンボイムを聴きにいったということです。上手く説明出来ないのですが、演奏を聴いている最中は、マエストロのアプローチがあまりにも新鮮だったり古典的だったり忙しいので、ベートヴェンのことを想う余裕がないのです。

それから、マエストロの演奏は、ピアノ演奏というより、オーケストラのピアノ編曲バージョンを聴いているという印象を受けます。きっと、演奏するときにマエストロの頭の中には、ピアノ以外の楽器の音もあってinterpretation(解釈?)をしているのでしょう。


演奏会の後、世界的にも権威のあるRoyal Philharmonic SocietyからマエストロにGold Medalが授与されました。これは、マエストロの演奏活動のみならず、彼のWest-Eastern Divan Orchestraなどを含んだライフワークへの高い評価もあっての授与です。過去のGold Medal受賞者には、ブーレーズ、ブレンデル、アバド、ドミンゴ、ラトル、マッケラス、フィッシャー=ディスカウなどがいます。私がバレンボイムを敬愛する理由として、彼の音楽を通じた和平活動とその彼の数々の講義に代表される学術的造詣の深さがあります。近い将来、マエストロがノーベル平和賞を授与されると良いなぁと密かに願っています。


次回、第二夜は、2月3日(日)。
プログラムは以下の通りです。
 Sonata in A, Op.2 No.2;
 Sonata in D minor, Op.31 No.2 (Tempest);
 Sonata in G, Op.14 No.2;
 Sonata in E flat, Op.81a (Les adieux)


あ、そうです。
演奏会終了後にサイン会があって、もちろんサイン頂きました!
いつかマエストロとWest-Eastern Devine Orchestraを日本に招聘できるように、頑張ります!






Gold Medal授与に関して、Royal Philharmonic Societyのwebsiteから抜粋。

Gold Medal for Daniel Barenboim

Daniel Barenboim has been awarded the Royal Philharmonic Society Gold Medal, one of the most prestigious honours in classical music.

He was presented with the medal by Graham Sheffield Chairman of the Royal Philharmonic Society at London’s Royal Festival Hall on Monday 28 January following the opening concert of his Beethoven Sonata Cycle.

The RPS Gold Medal was initiated in 1870 to commemorate the Centenary of Beethoven's birth and bears the effigy of Beethoven. It is awarded for the most outstanding musicianship. Fewer than 100 medals have been presented in the intervening years. Current Gold Medal recipients include: Claudio Abbado, Janet Baker, Pierre Boulez, Alfred Brendel, Elliott Carter, Colin Davis, Placido Domingo, Dietrich Fischer-Dieskau, Bernard Haitink, Charles Mackerras, Simon Rattle and Joan Sutherland.

Commenting on the award, Graham Sheffield, RPS Chairman said:

“Daniel Barenboim is not only one of the world's great pianists and conductors, but he has proved to be a passionate ambassador for the message that music plays a vital role in a healthy society. He is also a great advocate for contemporary music, and has performed and commissioned many new works. His activities and influence are truly international. He has shown great courage in demonstrating music's power to transcend political boundaries and racial enmities, and made a major contribution to intellectual debate”.






こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
鏡開き。
CATEGORY : [Life] 2008/01/11 09 : 21
鏡開きです。
お正月気分にはキッパリ別れを告げる時です。

日本にいた頃は、今日が父の誕生日なので、甘党の父と鏡開きに併せて、ケーキではなく我が家は「母特製おしるこの日」でした。が、もちろん、この英国一人暮らしの身には、おしるこなんて素晴らしい伝統甘味を食することは夢のまた夢。

大学時代には、この鏡開きにあわせて、学長先生と学友会代表学生たちとの「おしるこの会」というのがあって、超独特のオーラを放つ学長先生にみんなびくつきながら、おしるこをつついてました。が、私は2年間出席しましたが、特に「怖い」とか「カタグルしい」とかそういった気分には縁遠く、むしろ新年にふさわしい「背筋の延びるような時間」を心地よく思っていたことを覚えています。おしるこは、サラサラ目で、お餅は大きいまま…、でも、なぜかお箸で頂きます。だから、うにょーんとなるお餅を如何にお箸で小さくするか、小豆の粒をいかにして上手く口に運ぶか(お椀に口を付けられる状況ではない!)と密やかな闘いが会話の合間に繰り広げられるのです。笑


そんなんこんなんで、やたら母校での思い出が強くなる今日このごろです。Mixiで3つ上の先輩の日記で、懐かしい歌に出会いました。歌詞を読めば読むほど、歳を重ねれば重ねるほど、歌詞の持つことの大きさを身にしみて思います。13歳から10年間歌い続けましたので、歌詞は危うくとも、旋律はバッチリです。




「金剛石の歌」
昭憲皇太后御歌
奥 好義 作曲

金剛石も磨かずば
珠の光はそわざらむ
人も学びて後にこそ
まことの徳はあらわるれ

時計の針の絶え間なく
めぐるが如く時の間の
日陰(ひかげ:昼も夜も)惜しみて励みなば
如何なる業かならざらむ

 * * *

水は器に従ひて
その様々になりぬなり
人は交はる友により
良きに悪しきに映るなり

己にまさる良き友を
選び求めて諸共に
心の駒にむちうちて
学びの道に進むべし






さぁ、今学期もがんばりましょう。
明るく、元気に、ひたむきに。
いえーい。





こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
謹賀新年
CATEGORY : [Life] 2008/01/04 12 : 19
あけましておめでとうございます。

昨年は沢山の方々に支えられ、人生初の長期海外生活&一人暮らしを1年過ごすことが出来ました。

9月の新学期には、柄にもあわず?、超緊張と不安でいっぱいだった修士課程も日を追うごとに、楽しくなってきました。もちろんレベルも高いし、要求される知識量や経験などは半端ないので、毎日毎日の自己学習や予習復習が大切です。でも、自分の中で、モヤモヤしていた部分が、一気にパーンと音を立てて、色づいた「モノ」が見えてくるようになったり、新しい発見の連続だったりで、本当に充実した時間を過ごしています。

ロンドンにいると、あまりにも沢山の芸術があたりまえのように存在するがあまりに、感覚がマヒしてきます。でも、この今与えられている環境に感謝し、そして、何よりも、最大限に自分を成長させるためにも、今年もひたすら貪欲に、そして愚直に精進し、アーツマネジメントの知識や経験を積むだけでなく、より豊かな女性に、そして真の意味で温かい人間になれるように自分磨きに励みたいと思います。

2007 年出会った作品で印象的だったのは、1月のロイヤル・オペラでの『連隊の娘』(Natalie Dessay、Juan Diego Flórez)、4月バービカンでのLSO(ハーディング指揮)とランランのラヴェルのピアノ協奏曲。そして、11月同じくバービカンでの『オナー・バウンド』(アフガニスタンのアメリカ軍捕虜収容所でおきた虐待を再現した舞台作品)。4月に国立オペラで観たフィリップ・グラスの『Satyagraha』(ガンジーの物語)と11月にロイヤルシェイクスピアカンパニーの『リア王』(ガンダルフ役のイアン・マッケラン主演)も心に強く残っています。一番刺激的だったのは、草間弥生氏の個展とロンドン中の話題をさらったテートモダンの「Crack」です。

2008年は、バレンボイムのベートヴェンピアノソナタ全曲演奏会シリーズから始まります。今年は、リサイタルや室内楽、オペラ、バレエはもちろんのこと、美術館や舞台、現代美術展にも積極的に行きたいと思います。


まだまだ未熟で、不勉強なことも多い私ですが、「今」しか出来ないことを的確に見極めて、ガツガツと意欲的に勉学に励みたいと思います。本年もよろしくご指導ご鞭撻お願い申し上げます。



平成20年(子年)元日に
ロンドンにて






こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
マンガと文化と芸術とオタク。
CATEGORY : [Thoughts] 2007/12/29 10 : 31
皆さん、ご存知の方多いですが、私、マンガ大好きです。
でも、オタクじゃない域だと思っています。
私の周りには読む人と読まな人ときっぱり分かれますが、私のマンガ好き度は至って「人並み」だと思われます。


海外にこうやって暮らしてみると、やっぱり「マンガ好き=オタク」のような風潮にさらされる機会が必然と出てきます。マンガは子供のもの。大人が心躍らせるものではない。と。現に英語で「Otaku」という単語があるぐらいです。

秋口に知人の紹介で出会った英国人の方は、職業がマンガ/アニメ系の「グラフィッククリエーター兼デザイナー」で、私からみればでも本人は「ボクはオタク」だと言うわけです。大英博物館にも「Manga」関連の専門書(歴史書みたい)が常設で販売されています。外務省管轄の在英日本領事館のホームページにも「Creative Japan」というページがあって、そこにはちゃんと「マンガ/アニメーション」のカテゴリーがあります。


で、最近、そこで思うわけです。
一体、日本の現代社会でマンガやアニメはどこまで「芸術文化」扱いされてるのかなと。

アニメはちょっと私の思考回路外(ただのにわかファン)になるので、大雑把な意見になりますが、宮崎アニメを筆頭に日本のアニメーションは、世界的にみても、描写や写実方法などの技術面もストーリー性も「芸術性」を高く評価されています。反面、アニメーションだから「食わず嫌い」されるのも事実です。

マンガは、私は日本社会をうまく反映しているのかなと思います。電車で、制服姿の学生が参考書を読みふけり、大人が漫画雑誌に没頭する、なんて光景は日本では当たり前です。三国志やブッダを筆頭に歴史もののマンガも小学校の図書館にあった『裸足のゲン』も、教科書代わりのように存在します。イギリスではどれも考えられません。

例えば、私の好きな漫画のひとつに『きみはペット』という作品があります。20代後半のバリバリのエリートキャリアウーマンの話。現実には有り得ない設定で、でも多くの成人女性の共感を得た作品です。で、それに批評がついた。
http://www1.odn.ne.jp/kamiya-ta/kimi-pet.html

この批評を読んでいて、日本人にとって、マンガやアニメーションというのは、癒しであり、社会風刺であり、そして心理的な欲望の象徴であるのかな、と私は思いました。たぶん、それは東京ディズニーリゾートの大盛況ぶりにも通じることで、超勤勉な日本人の現実逃避手段なのかもしれません。だから、日本人の目線にたってみている限りでは、マンガはマンガであって、アニメはアニメ、萌えは萌えであって、決してそれが「芸術」だとかそういうレベルで考える必要はないわけで、それが社会に「風景の一部」であるというのが唯一確かのように思えます。


でも、マンガちっくなポップアートをサブカルチャーから一躍、欧米で「芸術作品」に押し上げたアーティストも沢山いるわけです。村上隆とか奈良美智とか。(今、ヒマなときに村上隆著『芸術起業論』を読んでます。)

芸術に関して大切なのは、何においても線引きだと思います。特に現代美術。たとえば、子供の書いた絵と画家が描いた絵と似たり寄ったりなのに、何が「芸術作品」なのか、一体何が決めるんでしょう。現代音楽も、騒音が「作品」になる。でも、どうしてそれが「作品」になるのか。単に「美しい」とか「技巧的だ」とか、そういう伝統的な物差しでは計りきれない領域のものがたくさんあります。「ユニーク」であること、「オリジナル」であること、「独創的」であること。それだけで作品が「芸術」になるわけでもありません。それを評価する「母体=社会」があって、はじめて「芸術」が生まれます。


今、大きなレベルで「マンガ/アニメ」を世界に“輸出しよう”という流れがあります。世界を魅了する日本の「現代文化」として。これは、私には面白いことだと思います。どこまで海外で評価されるのか。マンガやアニメに対する精神的なイメージが社会的に違う環境で、どうやって展開されていくのか。

話が壮大になりましたが、私はマンガは芸術文化になりうると思います。なんでもピンからキリまであるので、日本のマンガ全部が芸術文化になるとは言いません。でも、マンガが日本文化の一部である以上、芸術として評価される日もそう遠くないと思うのです。




【余談?】
こういうこと書いてるから、オタクだよとか言われるんだと思うんです。
でも、どんな分野の専門家も、結局はオタクだと思うんです。
ただそれが医療なのか、司法なのか、政治なのか、美術なのか、スポーツなのか。学問として確立されている分野だったら、どんなに突っ込んだ論争をしても「学術的」と判断され、社会的価値があると意義づけられる。
でも、もしそれがサブカルチャーだと一気に「オタク」と宇宙人扱いされる。
それって、ちょっと不公平だと思います。
たしかに人の役に立たない知識かもしれない。
でも、その人の好奇心をみたし、知的欲望をかき立て、それで「職業」が成り立つなら、その人は立派な「専門家」だと私は思うんです。
だから、私はオタクでもいいかなと思ったりします。苦笑
知的好奇心と愛情をこめて、オタッキーな分野の勉学に励みます。
はい。






こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
風邪とともに去りぬ:マンチェスター編
CATEGORY : [British] 2007/12/28 13 : 55
リヴァプールに続き、マンチェスターです。
1泊しかしませんでしたが、なかなか手頃なサイズの都市でよかったです。






【マンチェスター】

マンチェスターにはリヴァプールから格安バス(なんと3ポンド)で移動です。
1時間ちょっとで着きます。
でも、体調が明らかに芳しくないので、爆睡。
あ、カンケイないって?

マンチェスターは、いかにも「都会」って場所です。
不揃いな建築様式の背の高い建物が多いです。
(ロンドンは、地域によって建築様式がある程度統一している。)
バスを降りて、ユースホテルまで歩いていく中で、一番安心したのは、英語が普通に聞こえたこと。笑

実質1日半しか滞在しないので、相当身体がしんどいのに耐え、観光開始。
ユースホテルの受付お姉さんから地図をもらったり、オススメスポットを聞いたり…。でも、このお姉さん、明らかに「趣味」が違うので、聞きもしないのに良いインディーズバンドがいるバーとか、良いDJがいるクラブとか教えてくれて、蛍光ペンでマーキングをしてくれたりしました。


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トラム(路上電車?)に乗って、新興開発地区へ。その名も「Harbour City」すっごい埋め立て地って感じの場所です。よく考えたら、地理的にマンチェスターに「海」があるわけないんです。だから、海の匂いがしなかったのか…

目的は、ラウリー(Lowry)という複合型文化施設。名前の通りローレンス・ラウリーという20世紀を代表する英国人画家がいて、その人のコレクションがあります。ラファエロ前派のロゼッティをこよなく愛し、マンチェスターを中心に工業都市の風景を多く描いた人です。彼の絵は一見、変哲もない子供っぽい絵画に見えるんだけれど、よーくみるとスッゴイ手の込んだ質感ある絵画でビックリします。ここの常設展は、本当によくデザインされていました。「Meet Mr Lowry(ラウリーさんに会おう)」という約20分の導入映像があったり、分類の仕方や説明方法が本当に上手い。それに、エデュケーションプログラムとも上手く連動していて、何度も来たいなと思わせる場所です。が、ワタクシ、音楽人間なので途中でラウリーが愛したというバレエ「コッポラ」の上映を最後の2幕しっかり座って観ました。

この施設は、2つのギャラリー以外にもホールもあって、リーズを拠点とするOpera North(英国で唯一の黒字オペラハウスらしい)も引越し公演できます。あとは、カフェなどで打合せをするビジネスマンがちらほら…。向かいには、アウトレットモールがあって、でもナイキとか、何故か「M&S(マーク&スペンサーという自社ブランドしか扱わない大型チェーン)」が入っていて、いわゆる日本でもてはやされるトップブランドがメインではないようです。


で、ユースホテルお姉さんが「私は行ったことないけど、皆イイっていってるわよ」と教えてくれた「Imperial War Museum North(帝国戦争北博物館?)」へ。個人的には、広島の原爆記念館のイメージが生々しくて、風邪だし行く気もしなかったけれど、対岸だし、でも折角なので行ってみることに。

結果的には、この選択、よかったです。というのも、日本では絶対こういう展示方法はしないだろうというようなことがいっぱいあったから。イギリスの博物館や美術館にいて思うのは、空間の使い方が上手いことと展示の仕方が上手いこと。ただ「見せる」んじゃなくて、「魅せる」ように出来ていること。ちゃんと来場者が学べるように出来ているのね。

一観客としての感想は、やはり戦勝国、精神的なイメージが全然違う。ネガティブさももちろんあるんだけど、ポジティブなイメージも受けた。原爆についての資料もあったけれど、ギョッとしたのは冷戦時代(1970年代)に英国政府が本当に制作した「核戦争になった場合の避難の仕方と過ごし方」についてのテレビ放送。日本の戦争意識は、大抵第2次世界大戦でストップしているように思えるけれど(そして敗戦国&被害者でダメージが大きいんですって印象が強い)、でもこの博物館、本当は今も戦争は常にそこにあるんですってメッセージ性が強かったです。(ひとつだけ言わせてもらえるなら、確かに日本には初めから不利な要素が多かったわけで、日本の庶民レベルの悲惨さは英国にはほとんど無かったので、こういう展示内容になるのかなと思いました。)


7時前に市中心にもどったものの、夜はクリスマスマーケットを楽しみにしていたのに、なんとその日が最終日&6時に閉店。

「あぁ、クリスマスマーケット、お前もか!」

この国、絶対なにか間違ってる。クリスマスマーケットならクリスマスまでやってるべきじゃん。何故、クリスマスより前に撤退するのか…理解不能。


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旅行最終日。

ロンドンに帰れるのが嬉しくてたまりませんでした。とゆーのも、風邪が悪化していて、ヒーター側(イギリスにはセントラルヒーターというデロンギ社のオイルヒーターのような風貌のものが備え付けであります)のベッドに移動させてもらったにも関わらず、夜中熱をだし、大量の汗をかいて、ヘトヘト。

午前中は、マンチェスター市立美術館。ここもなかなか良い美術館です。教授オススメの場所だけあって、気づいたら3時間以上いました。19世紀の建物を2つ現代的に組み合わせてあって、見た目以上に中が広かったです。常設展の中に絵画の復元に焦点をあてた部分があって、面白かったです。モディリアーニもみれたし、ロゼッティも何枚かみれたし良かったです。特別展は150年前にマンチェスターで開かれた「Art Treasure of the UK (大英国美術至宝展?)」の回顧版で、150年前のマンチェスターの様子はもちろん(ドブとか馬小屋などの匂いのサンプルがあった←臭かった。笑)、至宝展の様子&詳細、来場者客のこと、そこで使われた音楽のことなどが、当時実際に展示された美術品の数々とともに展示してありました。音楽の展示は面白くて、マンチェスターを拠点にするハレ交響楽団の創設由来、至宝展期間中に毎日2回ずつ行われたという演奏会のプログラムの記録や当時流行った曲などが映像や写真、音のサンプルとともに詳しく展示されていました(タッチパネル式コンピューターで。)

その後、Urbisという現代美術を扱うセンターに行って、マンチェスターにある有名なクラブ(日本語だとディスコとかそんな感じ)の歴史をなぞった展示会と、世界でも高い評価を受けている広告映像や広告デザイン(商品デザインも含)の展示会をみました。この広告の展示会、英語圏の広告からの選出に偏っているのは仕方ないとしても、マーケティングとPRに興味があるワタシとしては、ココロ踊る時間でした。とにかく、うわっ、上手い!と思うのが多い。人権問題を扱うアムネスティ財団の街頭広告は、怖いほどよく出来ていたし、世界貿易機関の密輸を戒めるポスターも良かった。(フカヒレが問題になっているとはしらなんだ。)あと、テレビでみたSONYの「いかにも制作費がかかっている」CMの裏舞台がみれて面白かったです。欧州におけるソニーのブランドイメージって、日本よりもっと先進的な印象が強い気がする。

http://www.urbis.org.uk/page.asp?id=3203


このUrbisの建物は“宝くじ”による2000〜2001年にかけて英国全土で展開された芸術支援制度「ミレニアム・プロジェクト」の一環で出来ています。このプロジェクトは、建築物にしか適用されないという難点があるけれど、このプロジェクトの効果は絶大で、多くの芸術施設が改築され、カフェやショップを新たに増設されました。なぜカフェやショップが大切なのか疑問に思われる方も多いでしょうが、これは芸術施設には大切な収入源になるのです。日本では、チケットがないと施設内に入れない/入りづらいことも多いですが、英国の場合、美術館や博物館などは入場無料のところが多い上に、さらに「ミーティング・ポイント」としての社会的役割も確立されていて、ふらっときてカフェでまったりして帰る人口も多いのです。美術館や芸術施設により多くの人に訪れてもらい、より親近感をもってもらうための「カフェ」であり「ショップ」なんです。

さらに、もうひとつ画期的な「Gift Aid」という芸術支援制度があるのですが、これはまた次回に。


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今回の旅で良かったなぁと思う収穫事項:

1)地方に対する国家&地方レベル芸術支援の実体を垣間みれたこと
2)美術館/博物館の展示の方法の日本との温度差
3)それら施設にもとめられる社会的役割
4)絵画の面白さがちょっとわかってきた(苦笑)
5)ロンドンはやっぱり恵まれている



これは、全部ちょっとマジメな話です。これだけで1時間以上語れます。だから、今日は「敢えて」ここでヤメます。笑

アーツ・マネジメントはベンキョウすればするほど、現場がみたくなります。そして、奥が深い。Arts for Art's Sakeなんだけれど、でも、上手く次世代に残して、今の現代社会で有効的に「生かす」ためには国家レベル、いや、世界レベルでの「策」が必要になります。今、こうしてロンドンという「ごったがえしたちゃんこ鍋」のような場所でアーツマネジメントを学べること、本当に有難く思っています。(私の恒久的なスポンサーである母さん、父さん、アリガトウ。)







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風邪とともに去りぬ:リヴァプール編
CATEGORY : [British] 2007/12/28 13 : 27
クリスマスの前、12/17〜21にかけて、風邪とともにリヴァプールとマンチェスターに行ってきました。行く直前2日間は、ベッドでうーむげっそりでしたが、気合いで行ってきました。恐らく、1学期を終えて、一気に気が緩んだに違いないと思われます。苦笑



【リヴァプール】

リヴァプールに行った理由はタダひとつ。2008年欧州文化都市(European Capital of Culture 2008)に指定されているから。でも、「文化」はどこ?苦笑

いや、ビートルズはしつこいぐらいに生息してるんですけど、どこもかしこも工事だらけだし、道は閉鎖されてるし、ってゆーか、空き屋とか空き工場とか多過ぎて、ちょっといかがわしいです。おまけに、テートでもらった文化都市プランに連動している「美術館/文化マップ」で紹介されているポイントの半分は存在してないしむかっ(怒り)寒い中15分以上もかけて歩いていったレストランは閉鎖されているし。まったくもってありえん。


それよりも、都市行政と誘致関連団体、大丈夫なんでしょうか。

2003年には、このプロジェクトの誘致が決定していて、2008年は2週間後に始まるわけで、なのにこの状態。約5年間、いったい何してたんでしょうか。

市役所みたいなところの窓口で、この地図、間違ってるんですが、といっても「あー、そうなの?でも、私たちはわからないわ」だそーで。おいおいおい。

じゃ、逆に開いてるってご存知のギャラリーとか美術館教えてください、と教えてもらっていくが…、やっぱり「閉まってる」っていうか、中期改装工事中?

だーーいーーーーじょおおおおぶ〜???
(ロンドンもオリンピック、絶対間に合わないと確信する瞬間です。)

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さらにつっこみたいのは、マックの看板で

「Open 22 Hrs: 6am - 22:30pm」
(22時間営業:朝6時から夜22時半まで)

ってあったんですね。
計算ちがうし。
あと、さらに気になる店を発見。

「Open: 6am - 5:30am」

その30分間だけ閉めるって…


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旧産業都市だけに(今もか?)、街全体が「寂寥感」に浸ってるかんじが否めないんだけれど、若者のファッションがロンドンと明らかに違うわけですよ。しかも、リヴァプールアクセント、さっぱりわからないし。

「Brown bread or white bread?」

ってきかれて、3回も聞き直しちゃったもんね。笑
一緒に旅した隣人のオージー人のエンマも「こりゃ、わからん」と嘆いていましたです。街ですれ違うアジア人(あきらかに移民か留学生)もリヴァプール訛を英語にもっていて、すっごい違和感ありました。

ファッションといえば、リヴァプールにもロンドンのカムデンのような、日本の原宿のような場所があって、でも、リヴァプールの場合は「建物1 つ」。ゴスロリ系というか、パンク系のファッションから、「たぶんリヴァプールでクールなるためにはここで買うんだろう」系ファッション店がぐちゃっとありました。建物のデザインやインテリアは、何故かアールデコ調。わけわからん。

そのお店の中に、なーーーーんとビックリ。
セーラームーンの生地でワンピースドレス作ってる店が。ほかにも、なんかどっかでみたことがあるような、ないようなデザインの手作り服がずらーり。そして、家庭用ミシンでせっせと洋服をつくっているアジア人(たぶん中国系)の女の子。

店内、怖くて入れませんでしたが、仕切りがガラスなので覗いてみると、いわゆる「コスプレ」写真がいっぱいあるので、想像するに「リヴァプールに済んでいる日本のアニメファンのオアシス」かと。

ほかにも、「ナルト」とか「バンダイ製マリオ」とか「キティちゃん」とかぜったい日本から来たキャラクターグッズを扱う店(アニメイトを彷彿させるお店)があって、そこに学校帰りの制服(これがまたありえないほど可愛くない)で物色するリヴァプール訛の女の子達が…

写真をさすがに撮れなかったのだけれど、どこの制服もロンドンじゃ絶対にみられない風貌なんですね。というか、着こなしの問題なのか、色の組み合わせの問題なのか。ってゆーか、スカートが膝下10cmぐらいに、60年代を臭わせる髪型とお化粧の女の子がうじょうじょいました。たぶん、これがリヴァプールではカッコいいんでしょうねぇぇ。。。。そして、この恰好のままで、ハイストリートを徘徊するんですよ、8時ぐらいまで。補導されないように着替えてくれば良いのに。


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よかったことは、サインポスト(標識?)が多かったこと、と、英国を代表する美術家Antony Gormley(アントニー・ゴムリー)の乱立銅像で有名な砂浜『Another Place』ですかね。

これら、ちょっと真面目な部分(?)に関しては、後日書きます。



マンチェスター編に続く。










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ロンドンのクリスマス事情
CATEGORY : [British] 2007/12/27 02 : 15
クリスマスは、欧州文化の骨みたいな部分です。
だから、イギリス人はクリスマスは国をあげて国民全員で「本気で」休みます。

えー、そりゃ徹底しております。
日本社会では考えられないことが起きます。

一番スゴいのは、クリスマスの25日は、ロンドンを網のように巡る公共交通機関(バス、地下鉄、電車)とロンドン市公認の黒いタクシーは、1日全部おヤスミです。空港も動いてるのか、動いてないのやら…。イヴの24日も24時を境にタクシー以外のほとんど交通機関は閉まります。なので、せっかく聖ポール大聖堂の深夜礼拝に赴くものの、帰宅経路を懸念して、12時を回ったところで最終バスを捉まえて帰ってきました。普段は12時過ぎてもバスや車が走っているOxford Streetも伽藍堂。乗降者もほとんどいないので、すいすーい。

お店もレストランも(ほとんど)全部閉まります。唯一開いているのは、教会とイスラム系店主の商店だけです。道路も家もおそろしいほど、しーんとしております。ここまで来ると、ある意味、気味が悪い。人間の気配がしないんです。

24日も多くのお店はいつもの6時閉店より「更に」早くしまるので、5時には「みんな家にいる」準備万端です。

23日に近くのスーパーにいきました。
かなり混んでたけど、欲しいモノは普通に買えました。
が、24日にクリスマスロースト用の食材をそろえにQueenswayの大通りまで歩いていきましたが…。

普段は山のようにあるジャガイモも人参もタマネギも、全部無い!パンもない。空の棚の展示会みたい。明らかに仕入れをしていないんですね。でも、人がすれ違うのも大変なぐらいいる。まるで、大晦日の高島屋食品街。苦笑

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テレビでも、24日には有名な英国国教会のクリスマス礼拝の録画が何回か放映されます。ケンブリッジのキングスカレッジの礼拝を観ながら、軽い夕飯を食べました。23日は、バヴァロッティ追悼の番組と1990年の三大テノールの古代浴場公演の放送を観ました。英国でのパヴァロッティ人気がよくわかります。

25日は15時にエリザベス女王2世のクリスマスメッセージの生放送がありました。今年、王室がこの日にあわせて、You Tubeの専門ページ「The Royal Channel」を作って話題になりました。「庶民に明るく解放された王室」を目指してのことだと思いますが、日本皇室じゃ考えられんことです。個人的には、「The Queen and her Prime Ministers(女王と首相達)」が好きです。国を背負って、どんな発言も多大な影響力を与える首相が、唯一、女王の前だけでは「一個人」としての自由な発言が許される。面白いのは、ブレア前首相が女王にまるで昔からの知人に話すような口調で話していることです。

さて、その今年のクリスマスメッセージ、女王の後ろに故ダイアナ妃の写真があって、何だか「フクザツな事情」を反映しているように見えました。

女王スピーチの全文:http://news.bbc.co.uk/1/hi/uk/7159758.stm


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クリスマス礼拝で、近くの教会に25日にいきました。大家さんに奨められたロRoman Catholicの教会へ!中には本当に伝統的なデコレーションがちりばめられていて、居るだけで気分が温かくなりました。が、イタリア人コミュニティー教会のため全部イタリア語…、仕方なく最初の説教と賛美歌が終わったところで退出。しょうがないので、家のならびにある英国国教会の教会へ。こっちは、なんだか人が10人ぐらいしかいない…。でも、司祭(牧師?)のお説教は良かったです。

「Christmas is the greetings in peace.」

基本的に仏教徒なので、communion(聖体式:キリストの肉体と血とされるパンと赤ワインを司祭から食べさせてもらう)だけはパスしました。でも、多神教でもあるので、私はキリスト教もイスラム教もどちらも信じています。宗教って精神的な影響があるので、難しいです。国政や文化とも大きな関係があります。だから、郷に入ったら郷に従えってね。(でも、絶対に十字は切らないし、communionもやりませんが。もしやったら、佛よりもキリスト教への背徳行為って感じがするから。)


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今日26日は「Boxing Day」です。今日から日本の初売りに匹敵する大規模セールが繰り広げられています。私はあえて今日は不参加。だって、テレビでロイヤルオペラの「カルメン」やってるんです。セール<オペラ。基本です。苦笑

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クリスマス、クリスマスとホリデーにだいぶ「うつつ」をぬかしてきましたが、そろそろ本業に戻ります。1月すぐに論文提出があるので、下調べを始めないと本当に不味いです。


Hope you had a fantastic Christmas!!!
みなさま、良い年の瀬をお過ごしください!


こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
Merry Christmas!
CATEGORY : [おしらせ/Notice Board] 2007/12/24 10 : 16

MERRIER CHRISTMAS



Best wishes and heartfull greetings for this festive season!

I cannot give you a present, but I send you some music here. Wish those moments will bring you warm feelings.















and...... world's favourite song.










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