Arts Managerを志すwackyのロンドンからの徒然メモ
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Il Trovatore |
2007年2月12日(月) 19:30開演 英国王立歌劇場 (コヴェントガーデン) ジュゼッペ・ヴェルディ作曲 「Il Trovatore; イル・トロヴァトーレ」 Director: Elijah Moshinsky Set Designs: Dante Ferretti Costume Designs: Anne Tilby Lighting: Mike Gunning Fight Arranger: William Hobbs Count di Luna: Anthony Michaels-Moore Leonora: Catherine Naglestad Azucena: Stephanie Blythe Manrico: Marcelo Álvarez Ferrando: Raymond Aceto Ines: Kishani Jayasinghe§ Ruiz: Haoyin Xue§ § Jette Parker Young Artist * * * * * 今回も天井桟敷。 でも、セット転換が多かったせいか、演出が舞台手前よりで、思ったより舞台での動きが見えたので満足でした。 実は、1幕第2場のジプシー達の合唱が、あの有名な合唱が、このオペラからの曲だったと初めて知りました。恥。その曲が何なのか知りたい方は、ボローニャ歌劇場日本公演のサイトへ飛んでください。聴けます。名曲が! 作品最後が「Mother, I avanged you!」というアズチェーナの叫びとも思える一節で終わるぐらい、それはダークな悲劇ですが…、何せ前回の「Il fille du regiment; 連隊の娘」のナタリー・デッセイの印象と声が余りにも鮮明で、正直、自分が同じ劇場にいるとは思えませんでした。今だから、断言出来る。ナタリー・デッセイ(仏語だとデゥセ)はスゴい。 来年リサイタルをやるので、是非行かなきゃ! 一番、おおおおおっと思ったのが、アズチェーナ役のステファニー・ブライス。カーテンコールも一番盛んだったかな。帰りも結構の数の人が「母親役の彼女良かったよね」と口々にしてました。オペラハウスのサイトにも写真付きで出ているマルセロ・アルバレスは、カレラスっぽい声でした。笑。歌い方は、いかにもっていう立ち方と振り(振りなのか、勝手に動かしているのかは謎。)で、大学のときのある先生を彷彿させてくれました。 * * * * * 今、知ったのが、ボローニャの引越し公演でも、「連隊の娘」は先月私が観た公演と同じブルーノ・カンパネッラ氏が指揮者だったんですねぇ。そんなにスゴい人だったのか。だから、譜面がいらなかったのか。笑 * * * * * 今回の収穫?は、ズバリ「照明」です。白い光にするのに、青フィルムを使うんですね。知らなかった!透明のフィルムで普通のスポット照明を使うと黄色がかった光になるんです。知りませんでした。照明の仕込みも舞台の仕込み以上に時間がかかるので、毎日のように本公演が入れ替わるオペラハウスの照明係の人たちは、一体毎日何時間仕込みに時間を割いているのやら…(現在はコンピューターなどで調整も出来ますがね。) そういえば、この間となりだったおばあちゃんも、やっぱり(あの位置が定位置なのかな?)いらしてました。だから、このプロダクションは観に来て良かったのかも!? 来週は、念願の蝶々夫人です。おばあちゃんは来ないと言っていたけど、地下鉄の駅構内にも沢山のポスターが貼られてるし、期待大です。その前に、ジョシュア・ベルとLSO(ロンドン交響楽団)の公演です。そして、そして、内田光子さん×LSOのモーツァルトP協奏曲です。 ロンドン来て良かった! 追伸;バレンボイムがベートヴェンのピアノソナタシリーズをやります。全部行きたい。笑 PR |
ドニゼッティ:連隊の娘 |
2007年1月29日(月) 19:30開演 英国王立オペラハウス (コヴェントガーデン) The Royal Opera Gaetano Donizetti: La Fille du Regiment「連隊の娘」 Director: Laurent Pelly Associate Director and Dialogue: Agathe Mélinand Set designs: Chantal Thomas Costume designs: Laurent Pelly Lighting: Joël Adam Choreography: Laura Scozzi Conductor: Bruno Campanella Marie: Natalie Dessay Tonio: Juan Diego Flórez La Marquise de Berkenfeld: Felicity Palmer Sulpice Pingot: Alessandro Corbelli Hortensius: Donald Maxwell La Duchesse de Crackentorp: Dawn French * * * * * Opera comiqueだとは解っていたけど…、、、、 こんなに可笑しい/面白いとは思わなかった! それよりも!! Natalie Dessay、驚異的!ブラーヴァ!! どうしたらあんな姿勢で普通の声量/響きで歌えるのか。 飛んだり跳ねたり、リフティングされたり… 鍛えられてるんだろうなぁ。 Juan Diego Flórezが日本では「新三大テノール」だとか騒がれているから、ミーハーにも彼を聴いてみたくて、チケットをとったけれど、Natalieに完全にもっていかれたオペラでした。こんなにオペラって面白いんだと初めて思ったオペラでした。オペラっていい! 何がそんなに面白いかったかというと… まず歌詞は仏語なんだけれど、わざと「How dare you!」とかときどき英語になったりしてそれが面白かったし、振り付けやNatalieの仕草はもちろん演出自体がちょっと現代的だったり、何気ない要素が面白かった。それから、指揮者。たまに軽くジャンプして指揮を降るから、1st Violinのコンマスの譜面が震えてたり、楽譜を途中で見なくなって、その後譜面がどの部分か解らなくてパタッと閉じちゃったり。 もちろん、Juan Diego Flórezも素晴らしかった。ベルカントだし、1幕のアリアは曲自体は躍動的だけれど、時間がとまっちゃうかと思うほど美しかった。と思ったら、歌い終わった後にブラボーと拍手の嵐で、3分間ぐらいそのままの姿勢で拍手を受けていた。幕後のカーテンコールもNatalieには敵わないけれど、これでもかって言うぐらい大喝采を受けていた。日本だと考えられな怒号のような喝采。拍手にブラボーに、そして床を踏み鳴らす音。 席は、学生らしく一番安い席をとったから(笑)、文字通り「天井桟敷」だったのだけれど、これがまた圧巻な眺め。ステージに限りなく近いから、舞台への死角はたくさんあるけど、でもオケピッドと客席は抜群によく見える。 よく天井桟敷は、ツウがいるって言われるけれど、本当にツウなおばあちゃん(たぶん70代)が隣に!もう何十年もオペラ座に通っていて「この公演はあんまり良いから初日から3回もみたわ」って。今度は蝶々夫人みるんですって言ったら「それは演出がすきじゃないから行かないわ」って。さらに幕間に、「前回、オペラ座で連隊の娘をやったのは1992年だったんだけれど…」と語りだして、さらにもう一人仲良くなったスザンナさん(!)と「コロシアム(国立オペラ座のこと)でやった…」と語りだす。おばあちゃん、わぁーお。 スザンナさん(オペラ座で会うには最高の名前!)は、人懐っこい可愛い人で、たぶん20代後半ぐらい。2nd Violinにお友達がいるんだとかで、オペラグラスでピッドとそれからstallsのお客さんを観察してた。彼女も頻繁に来ているみたいで、お互いに次のオペラはこれでこの日にくると確認しあって、「じゃあ、次に会うのは4月のジャン二スキッキね」と手帳に私の名前をメモしてた。笑 天井桟敷万歳! オペラ座はきている人を見ているだけでも、本当に面白い。色んな人がいて面白い。あたまは真っ白なのに、きちっとスーツを着て綺麗なブラウスを着て、ヒールもちゃんと履いている可愛いおばあちゃんもいっぱいいる。下手な批評家より手厳しいツウがいたりもする。やっぱりこういう「文化」のなかにオペラはあるんだよね。 |
LSO x Gergiev: Firebird |
2007年1月23日(火) 19:30開演 22:00終演 バービカンホール (バービカンセンター) ロンドン・シンフォニー・オーケストラ 指揮:ヴァレリー・ゲルギエフ ピアノ:Alexander Toradze ロンドン・シンフォニー男声合唱団 Stravinsky The King of the Stars Prokofiev Scythian Suite Stravinsky Concerto for Piano and Wind Instruments Stravinsky The Firebird * * * * * ゲルギエフは颯爽と登場して、全部のエネルギーを置いて行くような演奏をして、爽やかに帰って行く。 「火の鳥」が組曲バージョンでないというので、行った演奏会だったけれど、本当に日本ではあまりお目見えしないプログラムで想像以上に面白かった。だいたい日本だと、閉館時間という絶対的な「時刻」を重んじて、プログラムも休憩や転換(楽器配置移動や人の入れ替わり)も含めて、2時間弱に収める。でも、この国ではたぶんそんなことは「あぁ、そうね。」ぐらいで済まされてるんだろう。と、少なくとも私は思う。 おまけに、オーケストラの編成が圧倒的に大きい。これもゲルギエフの意思なのだろうか?だって、ホルンが9本。どんなオケだ!人数こそ数えなかったけれど、合唱団が乗っているからか、座席を1列つぶして舞台を迫り出していたぐらいに人がわさわさいる。 さらに、弦楽器配置も、なかなかユニーク。前回行ったSir Colin Davisのときとは違う。1st Violinの後ろにコンバス隊(10〜12人ぐらい)があったり。 肝心の演奏なんだけれど、何せ前日にすったもんだの末にやっとこロンドンに帰ってきて、疲れがたまっていたために、かろうじて寝なかったものの相当ぼーっと聴いてしまった。反省。 感想?「火の鳥」はやっぱり全曲は長い。笑。いやいや、ワーグナーホルンが4本出たり、パーカッションで1列全面構成されていたり、楽器見てるだけでも面白かったです。 この演奏会の模様は、3月29日にBBC Radio3で放送されますので、ご興味がある人は是非聴いてみてください。日本でもインターネットがあれば、BBC Radioは「Listen Live」で聴くことができるので、日本の皆さんも是非! |
No.9 |
お恥ずかしながら。
今日、生まれて初めて『第九』を生鑑賞しました。 8月末まで大変お世話になった某オケの第九公演。 毎年とっても好評で、全公演完売になったんだとか。 ピアノの先生の旦那サマも一押しのこのオケの『熱い第九』。 * * * * * 久しぶりに、音楽に没頭できた公演でした。 オルガンソロ演奏が前座的で、いまいち存在が掴めませんでしたが。笑 オルガン演奏を聴くたびに、母校にいらっしゃるK先生の偉大さを実感します。 とゆーのも、K先生は毎年必ず入学式&卒業式で演奏なさり、学内生は亊あるごとに「演奏会」形式で聴くことが出来、極論を言ってしまうと「何のありがたみも無く、とにかく毎年聴いている」感じだったのです。 人柄も手伝って、なんだかいかにも普通に接してきてしまいましたが…、 卒業してからわかる恐るべき真実。 K先生、実は日本オルガン界でもすっごい演奏家なんじゃ…。 あのオルガン演奏が、基準になっている我が母校生…。 ありがたいことです。 日本はなぜ年末になると、こーも第九、第九となるのか。 オケの楽器配置と音響の効果。 指揮について。 日本のクラシック音楽とは。 などなど、ぐちゃぐちゃ考えていましたが、結局行き着く問題は、 「Authenticity」。 音楽ってなんで美しいのか。 美しい音楽とは何なのか。 人は音楽の何に魅かれるのか。 * * * * * 4ヶ月ぶりにお会いした職員の方たちや今夜の演奏を聴いて やっぱり日本で仕事するのも悪くないかな、と思ったり。 でも、やっぱりロンドンで挑戦したいよな、というのも本心であったり。 来年もまたこの『熱い第九』が聴けますように。 |
Nutcracker |
2006年12月13日(水) 午後7時半開演 英国王立オペラハウス (コヴェントガーデン) P.I.チャイコフスキー作曲 バレエ『くるみ割り人形』 * * * * * バレエだけれど音楽カテゴリで。 吉田都さんが一日だけコヴェントガーデンにカムバックされるというので、 初日行ってきました。 それに、クリスマスにくるみ割りをヨーロッパのオペラハウスで観るのを、 どれだけ楽しみにしていたことか! こんなに夢と愛?に溢れるバレエを一人で観るのは寂しいので、 同居人と一緒に行ってきました♪ これはお世話になったお礼とこれからも頼むねも込めて、私からのクリスマスプレゼント。 ちなみに、彼からのクリスマスプレゼントはラルフのカーディガン。 子供サイズでしたが、ぴったり着れる自分に驚き。笑 私の今年最後のロンドンナイトだったので、笑 2人でラルフのスーツやジャケットに身を包み、 (「まるで仕事帰りデートの若夫婦みたい。」と冗談が出るくらいキッチリしてました。苦笑) クリスマスのお祝いも兼ねて、おいしいご飯をROH側のBertorelliでたーっぷり食べて、 2人で浮き足立って、いざコヴェントガーデンへ。 いつ来ても、この空間はわくわくしちゃう。 赤い絨毯と深い艶の木のドア。 見上げるほど高い天井。 初日ということも手伝ってか、家族連れがとーっても多かったです。 (日本人の方も非常に多かったですが。) 中には、ボックス席を一家族(子供3人&両親)で押さえてらっしゃる方も… 休憩中のホワイエ&ラウンジは、大人顔負けの正装をしたチビちゃんたちがいーっぱい! 特にちゃんとスーツ&ネクタイのboysは、思わず立ち止まるぐらいカッコイイ。 「私、絶対子供つれてクリスマス来るよ。」 「いいよね、クリスマスに家族でこうやって来られたら最高。」 と無意識のうちに目を輝かせる私。 そして、何度も「Stop dreaming!」と横でつぶやく同居人氏… でも、本当に、単純に憧れます。 クリスマスに毎年こうやってコヴェントガーデンにこられたら どんなに素敵なことか!! * * * * * 終演後、特別なことがありました。 バレエ団のディレクターにあたる方の80歳のバースデー。 生オケと満席の場内と彼の愛すべきダンサー&スタッフからの歌。 おっきなケーキとおっきな花束。 心温まるスピーチ。 長い間バレエ団とオペラハウスに尽力され、 こうやって人々の心に夢や感動を届ける「瞬間」を今も作っていらっしゃる。 素敵な歳の重ねかたがしたいと思わずにはいられませんでした。 |
スペードの女王 |
2006年11月20日(月) 午後7時開演 英国王立オペラハウス (コヴェントガーデン) P.I.チャイコフスキー作曲 A.S.プーシキン原作 オペラ『スペードの女王』 F.ツァンベッロ監督 S.ビシュコフ指揮 英国王立オペラハウス管弦楽団 * * * * * * * 社交界デビューしました。笑 初生オペラ。 感想。 Absolutely stunning。 面白いなと思ったのが、客席のある一定の箇所に舞台に向けてモニターが3台設置してあって、オケピッドの指揮者が映るようになっていること。あれがないと歌い手やダンサーが指揮者を見ることができないポジションがあるからだけど、文明の進歩がこんなところにあるとは思わず、意外な発見でした。 会場内そのものは予想よりコジンマリしていて、でも豪勢。伝統の重みが建物そのものからにじみ出てくる。シートは圧倒的に都内Sホールの方がいいけれど。苦笑 バーやレストランも充実していて、こういうのは日本にはないよなぁという空気が流れていました。なんていうか、休憩時間もオペラの余韻にひたることができるというか…あの日本の休憩時間の乱雑さがない。 お客様層は、席種で歴然。当然ですが。でも、皆、想い想いの服装でみえていて、70歳ぐらいのなのに仕立てのいい赤いスーツをお召しの老婦人や、 dress codeあったっけ?というぐらい正装している方、いかにもビジネスですって言う感じの日系商社マングループなどなど。見てるだけでうきうきしちゃいます。 オペラ自体は、ロシア物語が持つ悲劇的な側面とチャイコフスキー独特の華やかな側面が対照的で面白かった。それにしても、衣装や小道具、舞台装置、証明はよく練られていて圧巻。歌い手はロシア語上演ということもあって、ロシア系歌手が多かった。 一緒に行ったBrit知人も初めてオペラハウスに入ったとかで、楽しんでた模様。良かった。 でも、なんかちょっとちがうよなって思った。オペラはやっぱりブルジョワジーの産物なのかなって。ただのクラシックの演奏会よりも更に敷居が高いし、巧く言えないけど、私が目指したい演奏会像とは離れてる気がしたかな。 さて、次は…。ヴェローナですな。うんうん。 もちろんオペラハウスにも見に行くけどね。 |
教会とオルガン |
St Paul's Cathedral Sunday Recital 12 November 2006 at 17:00 Simon Williams (Org) 2006年11月12日(日)17時開演 セント・ポール大聖堂、ロンドン オルガニスト:サイモン・ウィリアムズ ♪ Cesar Frank (1822-1890) Choral No 3 in A minor J.S.Bach (1685-1750) Adagio e dolce from Sonata Mo 3 BWV 527 Louis Vierne (1870-1937) IV Quasi Adagio; V Final from Symphony No 3 i F# minor * * * * * * 初めて真面目に教会でオルガンソロを聴きました。 荘厳。 の一言につきます。 あの石造りの、見上げると首が痛くなるような大聖堂で、音が本当に降って響いてきます。かと思えば、低音は下からビーンって振動がくる。 プログラムがすべて「第3曲」から選ばれているところに、三位一体を意識しているのかと安直に思ったりもしますが… 以前にピアノフェスティバルに参加したときにも感じたのだけれど、欧州では教会を演奏会会場に使うことが頻繁にありますが、これは奏者にはとても難しいのではと思います。というのも、教会によって残響時間や響き方が全く異なるからです。つまり、全ての音響効果をきちんと把握して演奏をしないと、惨憺たることになります。 例えば,ペダルやどうやって音を切るか、フレージング、テンポ、そして選曲そのものも、残響や音響効果に大きく左右されます。昨日も3曲目の細かい刻みのパッセージは、ただぼやっとしたクラスター(音の固まり)のように聞こえました。それが、作曲者や演奏者が意図したことなのかどうなのかはわかりません。 逆にいわゆる教会音楽やコーラスは、あの残響効果があってこそのものです。その余韻が次への「間」を生み出して、より効果的な音楽を生み出しているのだと思います。この空間で、和声音楽が誕生せずに、先に多声音楽が栄えたのがよくわかります。 それにしても、大聖堂。 本当に厳かな空間です。 精霊たちへの祈りなのか、 はたまた、神へ畏敬の念なのか。 これが音楽なんだなぁと久しぶりにmusical momentsを楽しみました。 |
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