Arts Managerを志すwackyのロンドンからの徒然メモ
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5月鑑賞ノート |
5月11日(日)
バービカンホール Schoenberg: Die glückliche Hand, Op 18 Matthias: Pintscher Osiris (British premiere) Bartók: Duke Bluebeard's Castle Pierre Boulez conductor Michelle De Young mezzo-soprano Peter Fried bass BBC Singers London Symphony Orchestra 初めて「青髭公」を聴いたのですが、すっごい迫力。ただ、ソプラノがかなりオケに飲まれていてちょっとあっけなく聴こえるときもあったのが残念でした。 ブーレーズ、いいです。 5月13日(月) Christie's South Kensington Japan Society主催 日本美術コレクション鑑賞会 無知って怖い。Christie'sでそう思いました。日本担当のキューレーターのガイドで10点ほど見て回りました。日本美術は細部まで細かく繊細に作り込まれていて完成度が極めて高いことは、中国美術品とは比べ物にならないそうです。特に1851年に開催されたGreat Exhibition(Crystal Palaceがハイドパークに建設されたのもこのとき)で、初めて英国内(たぶん欧州内)で「日本の美術品」が公に展示されて、そこから一気に異邦地ジャパンへの憧れと興味が沸騰したそうです。それまでは、本当に王侯貴族のみの楽しみだったのだろうと推測されます。日本の美術品が江戸時代の鎖国中にも、貿易商品として高値で世界に出回っていたことは知っていましたが、その中の品物が目の前にあると思うと、不思議な感覚です。おまけに触れる手&写真が撮れるオークションなので、どんなに高価なものでも触れるのが良い所です。過去に落として割ってしまった人もいるらしいですが…(そういう場合って、落札推定価格を代償金で払うのかな?) 伊万里焼、薩摩焼、七宝焼、象牙彫刻、印籠、刀、浮世絵、水墨画、巻物、根付け、…。色々ありました。気分は美術館乙女座どれも美術館所蔵並の品ばかりなのですが、なにせ「本物」なので、推定落札価格をみて、気が遠くなりました。お年玉2〜3年分ぐらい叩けば、なんとか買えそうのもあったけど…、上は私の修士学費分ぐらいのもあったな フランスから来たコレクターのご夫婦がいらしたり、中国人のパワフルな買い付けおばちゃん(たぶんプロ)がいらしたり…、あ、アシスタントのお姉さん、日本刀をお客さんに見せてたときに指切ったそうですたらーっ(汗)今も首の皮一枚残してバッサリいける状態保持らしい←強盗には気をつけないと。 初めて印籠触れてルンルン。広重の東海道五十三次の世八カ所目と、鯉のぼりの浮世絵を超接近してみられてウキウキ。象牙の彫刻で、江戸の粋を感じて興奮最高潮。象牙彫りの江戸人をみていると、今にも会話や音楽、周りの喧噪が聴こえてきそうなんですよね。やっぱりこういうの好きだな。 日本人にうまれて、それが当たり前過ぎて、何がどう素晴らしくて価値があるのか、今まで自国文化や美術品への理解が薄かったですが、これを機にもう少し積極的に勉強したいと思います。蛇足ですが、会場にあった燃えるような赤ピンクの八重の芍薬がそれは見事でした。 5月17日(土)14:00 Royal Ballet Mixed Programme: Dances at a Gathering / The Dream Dance at a Gatheringはショパンのピアノ曲集でした。なんだかショパンに踊りがつくというのも、理解出来る様で、不思議な様で、なかなか腐れピアノ科の私には新鮮でした。The Dreamは、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」でした。結婚行進曲もしっかりありましたが、結構劇中ではあっさり進んでしまうんですね(苦笑) この日は大ハプニングがあって、The Dreamのパックが、途中で足を負傷。明らかに「!?」とおもったのですが、やっぱり途中で中断、ステマネがステージに出てきて「今、新しいパックを探しにいきますので、そのままお待ちください」と言ってから15分。「新しいパックが運良く見つかりましたので、続きを始めます」。聞いた所によると、このパック役はトリプルキャストで、既に2人が負傷していたそうです。なので、常に舞台袖には代役ダンサーが控えていたらしいです。にしても、舞踊はこういうことも想定して当日を迎えないといけないのだと、変な所で冷や汗をかきました。 5月20日(火)19:30 Royal Opera House プッチーニ作「トスカ」 Director:Jonathan Kent Designs:Paul Brown Lighting:Mark Henderson Conductor:Antonio Pappano Floria Tosca:Martina Serafin Mario Cavaradossi:Jonas Kaufmann Baron Scarpia:Paolo Gavanelli Spoletta:Hubert Francis Cesare Angelotti:Kostas Smoriginas Sacristan:Enrico Fissore Sciarrone:Darren Jeffery Shepherd Boy:Thomas Payne Gaoler:John Morrissey またもやハプニングのROHで、本当はトスカ役がMicaela Carosiだったのですが、急病で急遽ダブルキャストだったMartina Serafinになりました。開演前にアナウンスがあり「昨日突然代役をたてることになり、急遽呼び寄せた」そうです。にしても、本番はすばらしかったです。 Gavanelliは本当に貫禄があって、存在感が抜群でした。 が、絶対に泣くと思って心構えをしていったのに、涙すらこみ上げてこず、私としては少々不完全燃焼でした。前にDVDを観た時は、心が動いたのに…。うーん。 5月26日(月・祝)13:30 Royal Ballet プロコフィエフ「ロミオとジュリエット」 マクミラン版 バレエは、どうしても牽制がちなのですが、折角ロンドンにいるのだしとチケットをとりました。プロコのロミジュリ組曲は、昨年にLSOxゲルギエフでも聴いてますし、何せ有名曲なので一体どんな振りがつくのかと楽しみでした。全体的に「クラシック」な印象を受けました。セットも衣装も、時代通り。ステージの転換がオペラ以上激しく、そちらにびっくりしました。 もうちょっと上のレベルで楽しめるようになるためにも、色々みないといけないかなと。 5月27日 ロイヤルフェスティバルホール クリスティアン・ツィメルマン ピアノリサイタル Bach:Partita in C minor, BWV826 Beethoven:Piano Sonata No.32 in C minor, Op.111 Brahms:Klavierstücke, Op.119 Szymanowski:Variations on a Polish Theme, Op.10 おもしろかったです。 1つ目は、バッハからベートヴェンに移る時に、鍵盤取り替えたんです。会場中に「!!」の嵐。でも、聴いて納得。音ががらりと変わりました。固くて強い近代的な音に。さすが細部にこだわるZ氏です、してやられたりといった感じでした。 2つ目は、シマノフスキ。ああ、もうこの人、血で音楽作ってるなと思いました。バッハやベートーヴェン、ブラームスで感じた「学術的」な感覚がないのです。すべてを超えて、心にずーんと伝わってくる演奏でした。 やっぱり音楽はこうでないといけないですよね、頭でつべこべ考えるのも大切だけれども、心に響くものがないと。やっぱりZ氏は、私にとって世界で最も敬愛し、いつも考えさせる音楽を奏でる音楽家の一人です。 PR |
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