Arts Managerを志すwackyのロンドンからの徒然メモ
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A Disappearing Number |
少し前ですが、去年見逃してしまったコンプリシテ(日本語だと、テアトル・ド・コンプリシテとも呼ばれます)の「A Disappearing Number」を観に行きました。Upper Circleの安い席でしたが、舞台はなかなかよく見えました。 この作品は、2008年オリヴィエ賞(Olivier Award)や2007 Critics' Circle Theatre Award、Evening Standard Theatre AwardでBest New Playに選ばれたりしている超注目作品です。 コンプリシテは、1983年に奇才Simon McBurney(現芸術監督)が、Annabel Arden、Marcello Magniと一緒に旗揚げをしたdevising companyです。Devisingというのは、improvisingと似ているようで、違うのですが、つまり、最初から固定の脚本などがあるわけではなくて、作品の制作過程で監督やスタッフ、役者が話し合いをしたり、ワークショップをしながら作り上げていくというスタイルのことです。Improvisingは、場当たり的な即興という意味が強いですよね。もちろん制作過程がimprovisingも取り入れられているとは思います。 日本でも、野田秀樹さんが文化庁の在外研修時代にコンプリシテで研鑽をつまれたとかで有名でしたが、最近は世田谷パブリックシアターにもよく来ているようです。野田さんと言えば、5月か6月にSoho Theatreでみた『The Diver』は本当に恐ろしいほど素晴しかったです。 さて、作品のストーリーですが、4人のメインキャラクターがいて、それぞれの人生での「数学」をめぐったお話です。いっても、かなり大雑把なので、以下、バービカンの公演情報より抜粋。 Taking as its starting point one of the most mysterious and romantic collaborations of all time, this is a story about connections between ideas, cultures and times. In London a man attempts to unravel the secrets of his lover. In Bangalore a woman collapses on a train. In Cambridge in 1914 Englishman GH Hardy seeks to comprehend the ideas of the Indian prodigy Srinivasa Ramanujan. A Disappearing Number weaves a provocative theatrical pattern about our relentless compulsion to understand. (Copyright: Complicite) 上記写真をクリックすると、コンプリシテの『A Disappearing Number』のオフィシャル写真ページにとびます。 お話は、ケンブリッジ大学教授であるHardyの著書『A Mathematician's Apology』を取り巻くように進みます。数学には180度縁のない私でも読んでみたいなと思うぐらい、人間ドラマがリアルに伝わってきます。(と今、HardyのWiki日本語版を読んでいたら、オンライン(英文・pdfファイル)で読めるようです。) バックの映像の使い方や、多面的な舞台の魅せ方は、さすがコンプリシテです。お話の練り込み方も、複雑なのに美しい織物をみているかのようでした。それから、インドの音楽というか音楽的要素もところどころにあり、あぁ上手いなと。最後に終わった時に、全部が1本のラインに繋がる感覚にはゾクッとします。 次回のコンプリシテのロンドン公演は、2009年1月末〜のバービカンでの『Shun-kin』です。谷崎潤一郎の『春琴』を題材に、世田谷パクリックシアターとの共同制作作品で、3月には世田谷パブリックシアターにもまた行くようです。なので、トウキョウ近辺の皆さん、ぜひチェックしてください。 PR |
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