Arts Managerを志すwackyのロンドンからの徒然メモ
[PR] |
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 |
|
日本の演奏会スタイル |
あるオーケストラの掲示板を読んでいて、気になったのでメモ程度に。
とゆーか、私のブレインストックとして書きます。 今の日本のクラシック演奏会は大抵が開演7時。 これって結構、日本で働いてる聴衆には厳しいのかなと思う。 6時退社で、演奏会場に1時間以内で移動して、余裕を持って着席しているって、このトウキョウじゃ不可能に近いような。だって、6時退社自体、かなり厳しいのが現実。 ロンドンにいると、オペラでもオケでも演奏会は、よっぽど長いプロでないかぎり、7時半開演。だいたい、この国は「6時退社」ってなると、皆、17時55分にはもう帰る準備万端って感じだし、フレックス制度がある会社は5時退社って会社も少なくない。おまけにロンドンは東京よりも狭いから、移動時間も少なくてすむし、開演前に軽い食事をとることも、もちろん可能。 今、働いてる施設では、7時半開演の公演の場合、大体のお客様は7時頃には到着して、早い人たち(結構、スーツ姿が多い)は6時半前にはすでに館内のレストランやバーでくつろいでるお客様がが多い。 じゃあ、簡単に開演時間を遅くすればいいじゃんってことになるけれど、それも、ちょっとばかり難しいのが現状。何故かと言うと、運営側にも大きな違いがあって、日本だと、私の知る限りでは、ホールの閉館時間にあわせて、主催者がホールを借り、その借りた時間に併せて、運営進行を組み立てる。例えば、夜枠17〜22時で借りた場合、22時に完全撤退をするためには9時過ぎには終演しなければならないわけで、そうするとプログラムも7時開演からの2時間で休憩時間や出入り(必要であれば、舞台転換)の時間も含めて、組み立てる。そうすると、自然に90分プロが最大になってくる。もし、これを7時半開演にずらして、演奏会を行ったとしても、もし何かトラブルがあったり、開演時間そのものが遅れたりすると、さらに終演時間が延びて、結局22時撤退に完全に間に合わなくなる。そうすると、今度は「延滞料金」のようなものが発生して、主催者側の懐に打撃が発生する、と。笑 前述の私の勤務先の施設は、基本的に8:00〜23:00にパブリックに開いていて、結婚式や特別なパーティなどのクライアントイベントがあれば、24時過ぎまで貸し出すこともしばしば。もちろん私たちもクライアントが延長を希望すれば、居残ることになるわけだけれども、なんだか「ah okay」ってかんじで実にサラッとマネジメント側が引き受けてしまう。更に言えば、日本のホール貸りる場合、打ち合わせの時に、椅子も机も譜面台もマイクもライトも何もかも1桁単位までキチッと必要個数を申請して、それでホール賃貸料とは別に請求されるのだけど、なんだか当地のマネジメントを見ている限りだと、そんなプロセスが存在するのか疑いたくなる風合い。 こっちのホールの名物風景といえば、休憩時のアイスクリームとワイン?皆、とにかくよく買う。売ってる側としては、どうもありがとうとしか言いようがないけれど、でも、これも「カルチャー」なんだなぁと思う。演奏会にくるのが、本当に生活の一部になっているというか、特別なことじゃないんだなという感じが強い。良い演奏を聴いて、休憩時に会話を楽しんで、また良い音楽に浸かって、家路につく。こういうことを考えると、もっと社会学的なことの考察が必要になってくるけれど、そうなると、もうこれは音楽業界がどうのこうのできる範疇じゃないのかなと悲しくなったりもする。 「カルチャー」といえば、customer service(お客様係?)側も大分「姿勢」が違うように思う。とにかくお客様至上主義がないから、日本のようなああいうサービスはない。言葉の言い回しこそ違えど、とにかくフレンドリーさが第一で、あとはもちろん日本とは違うレベルの献身さが求められる。服装からして、大分違うのも事実。あのフェスティバルホールのお客様係の制服が、Tシャツでビックリしたのはつい最近の記憶。私の施設のお客様係は、第一にお客様の安全(通常時/緊急時ともに)、第二にcutomer experienceの向上という基本柱がある。お客様の安全に関しては、毎回各イベント開演前に各会場で「evacuation briefing」というのがある。何をするかと言うと、公演内容、主な進行時間、注意事項(場内飲食の規制、プレスやマスコミ来場、カメラ撮影、持込み可能手荷物、disable customerの確認、座席変更、配布物/販売物連絡など)の確認とともに、緊急時に備えた避難経路確認/誘導灯点検と模擬訓練を必ず全員で行う。日本でこういうの役職についたことがないだけに、なんとも言えないけれど、初めは圧倒された。ああ、お客様の命を預かるんだと、叩き込まれた感じがした。 なんだか、支離滅裂になってきたのでこの辺で。 結局なにが言いたいかっていうと、日本の現状を変えるには、社会や人々の生活スタイル自体を変えないといけないわけで、それには音楽家やマネジメント側がどんなに七転八倒したところで、手に負えない部分があるんじゃないかということです。 PR |
COMMENT |
いいなあ
御無沙汰してます。
19時半スタートの演奏会っていいなあ。 うらやましいです。 日本だと、18時半スタートなんてのも多いですし、開演に間に合わせるために、半分会社を早退状態で出てきたりすることもあります…。(T^T) でも、19時半スタートで、休憩入れて2時間半の公演だと終るのが22時。 通勤時間2時間なんてのも珍しくない東京だと、帰り着くのが午前様になったり、終電に間に合わなくて帰れなくなったりする人も出てしまうかもしれません(^^;; ロンドンの人達はちゃんと家に帰り着けるのかな? 【2007/07/2700:30】||ふ〜#986cf9aa0a[ EDIT ]
お久しぶりです〜
ロンドンは地下鉄は平日は12時半ぐらいまで動いている上に、多少ルートは限定されますが24時間バスが走ってるので、タクシーと上手くコンビネーションを組めば、家に帰れますね。おまけにロンドンは東京よりもずっと小さいので、1時間あればすでに大郊外です。現地人的感覚だと通勤/通学時間が1時間以上とか考えられないようです… やっぱりそういうとこからして見直さないといけないですよねぇ。 |
COMMENT WRITE |
|
TRACKBACK |
トラックバックURL |
忍者ブログ[PR] |