忍者ブログ


[PR]
CATEGORY : [] 2024/04/27 20 : 22
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



Titian To Save! Make Your Donation!
CATEGORY : [アーツマネジメント] 2008/12/31 23 : 59
Support the Titian Campaign

※2008年12月31日まで、この記事をトップにします。





今、National Galleryで英国美術界を巻き込んだ大きなFundraising Campaign(寄附集め)が行われています。

The Titian Campaign

NG Titian Campaign
※↑画像をクリックすると、National Galleryの特設サイトに飛びます。


その渦中の作品は、16世紀ヴェネチア学派の巨匠ティツィアーノ(英語ではTitian)作の『Diana and Actaeon』↓


※↑をクリックすると、National Galleryの作品解説サイトに行きます。さらに作品の画像をクリックすると拡大画像が見られます。


このThe Titan Campaignでは、2008年12月31日までに5000万ポンド(日本円で約7.2億円?@143円)を公的助成&民間助成で集める必要があります。もし、これが達成されないと過去約200年にわたりNational GalleryとNational Gallery of Scotlandで保有&公開されてきた傑作が国外に流出してしまう危機にあります。

そもそもの発端は、現在『Diana and Actaeon』の所有者であるDuke of Sutherlandが手放すことにしたことに始まります。今のところ、英国外の個人コレクターに売り渡されることが報じられていますが…。

8月の初めに、Duke自らNational Gallery of Scotlandに大晦日までに5000万ポンド集められれば、市場価格で6倍するところを5000万ポンドで所有権を譲り渡すと伝えました。さらに、『Diana and Actaeon』の対作である『Diana and Callisto』も3年後に同額程度でNational Gallery側に独占的に売り渡すことを示唆しています。

今までに、美術品の英国内でのコレクション充実に大きく貢献をしている財団Art Fundにより約1000万ポンドが寄附されることが決定しています。

が、なかなか思うようには集まらないようで…、おまけにこの歴史的不景気の英国経済。これが昨年であったら、かなり多くの企業が名乗りをあげたはずです。(今や2012年ロンドン五輪にまで懸念がおよぶぐらいですから…。)


そんななか、ついにLucian Freud, Damien Hirst, David Hockneyら英国現代美術家20名が署名をした「申し状」を携え、この危機への措置を訴えるべく、Tracey Eminが首相官邸に赴きました。「もしこの歴史的名作が失われたら、英国政府は恥じるべきだ」と。




私も来週にでも、わずかながらですが寄附をしてきます。Fundraisingの難しさを知っている者として、National Gallery愛用者として、少しでもこのキャンペーンについて、皆さんに知っていただけたらと思い、記事にします。




【寄附方法】
 ※National Gallery特設サイトより抜粋。

Help to keep the paintings on public display in the UK by making a donation now. Every donation large and small will make a real difference.

By cheque

Please download and fill in the form below, send it with your cheque to:

The Development Office
The National Gallery
FREEPOST LON8962
LONDON WC2N 5BR

Download donation form (PDF 58kb)

Leave a donation at the Gallery

Please visit the information desks in the foyers of the National Gallery. Staff can take your cash or cheque donation and give you a receipt.


Online

You can also make a donation online on the Just Giving website.


Contact us
If you would like to contact the development department please call 020 7747 5875 or email development@ng-london.org.uk

Please Note: In the event that the National Gallery is unsuccessful in raising sufficient funds to purchase Titian’s 'Diana and Actaeon', this donation will be used to save other masterpieces.




【関連ニュース記事】
Tracey Emin says Government faces embarrassment if Titian paintings are lost
The artist Tracey Emin has said that the Government faces embarrassment if two paintings by Renaissance master Titian are lost to foreign buyers.
By Telegraph Reporter
Last Updated: 11:01PM GMT 10 Nov 2008


Emin delivers petition for Titian
The artist Tracey Emin visited Downing Street yesterday to deliver a letter signed by Lucian Freud, Antony Gormley, David Hockney and 37 other artists.
By Arifa Akbar, arts correspondent, Independent
Tuesday, 11 November 2008


Support the Titian Campaign


PR


こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
演奏会とは
CATEGORY : [アーツマネジメント] 2008/05/05 08 : 53
昨年末から頻繁に読むようになったブログの一つに『ゴルドーニ』があります。
そのなかで、バイエルン歌劇場総監督だったSir Peter Jonas(2006年8月退職)の講演語録があります。

そこで、面白いと思う言葉を見つけたので、ご紹介したいと思います。


「オペラは、人々の考えを刺激するためにあるのです。」

オペラだけが人間の営みで一番創造的な分野ではなく、芸術に仕えるからといって特権的であるのでもない。我々オペラ・カンパニーで働く者の大義は、オペラという芸術様式によって、我々の精神の内なる声を探る、社会における我々の役割を探る、そしてこの地球という惨めな惑星の中にいる仲間とともに、我々の存在という問題について語り合う場を作るということである。



この言葉を読んだとき、ミュンヘンに住むイタリア系ドイツ人の友人の言葉を思い出しました。
「Arts should be provoking.」

彼は、一緒にバイエルン歌劇場に『白鳥の湖』を観に行った帰りに、何回も繰り返し言いました。公演の演出自体は、私には十分モダンでドイツらしい解釈の仕方だなと思ったのですが、彼の目には「保守的」で「クラシックすぎ」て、面白味に欠けていたそうです。翌日、彼の研究室の友人と、3人で話をしている時にも、やはりこの話題が出て、彼も「芸術は社会にとって、常に何かを発信するべき存在で、だから人間社会にとって大切なんだよ」と言っていました。

私が驚いたのは、彼らが頻繁にクラシック音楽や芸術(いわゆるhigh art)に触れなくとも、彼らの社会生活に必要だと思っていることと、それに関連して政府がサポートするのは当然だと思っていることでした。ミュンヘンというドイツの中でも、水準の高い都市にいるからなのかもしれませんが、そういう考えの人は多いという話にも驚きました。

一方で、日本人の知人たちの話を聞いていると「今日の演奏会はとてもリラックスできて良かった」というような感想がとても多いように思います。確かに仕事を終えて疲れて演奏会に行くことが多い日本社会では、演奏会は「リラックス」の場としての需要が高いのかもしれません。日本の文化の流行傾向として、一時「癒し」や「リラックス」が主流になっていました。

これを考えると、「触発」をもとめるのと、「リラックス」をもとめるのでは、プログラム内容が大きく変わってきます。プログラムも変われば、マネジメント側も色々と違う方向で動く必要性がでてきます。

社会的に私たちの感覚を触発するような音楽や芸術が、日本にはどれぐらい求められているのか、少し疑問に思います。日本社会に求められる「芸術」というのは、もしかしたら根本的に違うものなのかも知れないと思います。




こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
| HOME |

忍者ブログ[PR]