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A Disappearing Number
CATEGORY : [Theatre/Musical] 2008/11/11 21 : 10
2008.10.25
19:45
Barbican Theatre


"A Disappearing Number"
Complicite





少し前ですが、去年見逃してしまったコンプリシテ(日本語だと、テアトル・ド・コンプリシテとも呼ばれます)の「A Disappearing Number」を観に行きました。Upper Circleの安い席でしたが、舞台はなかなかよく見えました。

この作品は、2008年オリヴィエ賞(Olivier Award)や2007 Critics' Circle Theatre Award、Evening Standard Theatre AwardでBest New Playに選ばれたりしている超注目作品です。

コンプリシテは、1983年に奇才Simon McBurney(現芸術監督)が、Annabel Arden、Marcello Magniと一緒に旗揚げをしたdevising companyです。Devisingというのは、improvisingと似ているようで、違うのですが、つまり、最初から固定の脚本などがあるわけではなくて、作品の制作過程で監督やスタッフ、役者が話し合いをしたり、ワークショップをしながら作り上げていくというスタイルのことです。Improvisingは、場当たり的な即興という意味が強いですよね。もちろん制作過程がimprovisingも取り入れられているとは思います。

日本でも、野田秀樹さんが文化庁の在外研修時代にコンプリシテで研鑽をつまれたとかで有名でしたが、最近は世田谷パブリックシアターにもよく来ているようです。野田さんと言えば、5月か6月にSoho Theatreでみた『The Diver』は本当に恐ろしいほど素晴しかったです。

さて、作品のストーリーですが、4人のメインキャラクターがいて、それぞれの人生での「数学」をめぐったお話です。いっても、かなり大雑把なので、以下、バービカンの公演情報より抜粋

Taking as its starting point one of the most mysterious and romantic collaborations of all time, this is a story about connections between ideas, cultures and times. In London a man attempts to unravel the secrets of his lover. In Bangalore a woman collapses on a train. In Cambridge in 1914 Englishman GH Hardy seeks to comprehend the ideas of the Indian prodigy Srinivasa Ramanujan. A Disappearing Number weaves a provocative theatrical pattern about our relentless compulsion to understand.


(Copyright: Complicite)
上記写真をクリックすると、コンプリシテの『A Disappearing Number』のオフィシャル写真ページにとびます。


お話は、ケンブリッジ大学教授であるHardyの著書『A Mathematician's Apology』を取り巻くように進みます。数学には180度縁のない私でも読んでみたいなと思うぐらい、人間ドラマがリアルに伝わってきます。(と今、HardyのWiki日本語版を読んでいたら、オンライン(英文・pdfファイル)で読めるようです。)


バックの映像の使い方や、多面的な舞台の魅せ方は、さすがコンプリシテです。お話の練り込み方も、複雑なのに美しい織物をみているかのようでした。それから、インドの音楽というか音楽的要素もところどころにあり、あぁ上手いなと。最後に終わった時に、全部が1本のラインに繋がる感覚にはゾクッとします。


次回のコンプリシテのロンドン公演は、2009年1月末〜のバービカンでの『Shun-kin』です。谷崎潤一郎の『春琴』を題材に、世田谷パクリックシアターとの共同制作作品で、3月には世田谷パブリックシアターにもまた行くようです。なので、トウキョウ近辺の皆さん、ぜひチェックしてください。


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こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
2007年観劇ノート
CATEGORY : [Theatre/Musical] 2008/02/04 10 : 07
書き忘れていましたが、2007年12月の観劇ノートです。


Hackney Empire
Christmas Pantomime
"Dick Whittington and His Cat"

修士課程のコース仲間と共に、教授も加わって、クリスマスイベントとして行きました。日本語の「パントマイム」はエイゴで「mime」です。エイゴの「pantomime」は…、歌有り踊り有りでコミカルなミュージカルのようなモノです。とにかく、地域色をよく反映していて、皆でガハハハ大笑いして見ました。




Royal Shakespeare Campany
Starring Ian McKellan
"King Lear"

もはやチケット入手不可能と思われたイアン・マッケラン主演の「リア王」。イアン・マッケランは、映画『ロード・オブ・ザ・リング』のガンダルフ役をはじめ、日本でもおなじみの俳優ですが、英国では舞台俳優として非常に高い評価を得ています。そんな超人気公演を、知人の英国人が昔のツテを使ってなのか、チケットを手に入れてくれ、招待してくれました。原作を読む限りでは、狂気のリアに恐れ入るかと思いましたが、その反対で、お芝居が進むにつれ、どんどん「孤独」になっていくリアの「寂しさ」に息がつまり、泣きたくなりました。権威に固執する狂気。自我が生み出す狂気。孤独さが生み出す狂気。孤独になることを恐れる狂気。現代の人間社会にも、リア王も、ゴネリル、オールバニ公、リーガン、エドモンドはたくさん存在しています。何が人間をそこまで「madness」に追い込むのか。シェイクスピアが、なぜ「偉大」なのか、ちょこっとだけわかったように思いました。

Yes it was "breath-taking". The only thing I was annoyed was the kids (about 16-18?) around us. Ian McKellan is a great man. I couldnt understand at all why Shakespeare is such a legend, but I think I now know why he is: not because he wrote in English, but because he wrote the fundamental aspects of human being. I was almost crying to feel Lear's loneliness. He was mad because he was lonely and he was so frightned to be lonely. But there was another madness. The madness from egoism. This madness reminds me "Honour Bound" (I saw this production at Barbican weeks ago.) and what the american did to people in prisons in Afghanistan. Sense of superiority and self-glorification.





こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
Honour Bound
CATEGORY : [Theatre/Musical] 2007/11/20 13 : 16
Honour Bound

Thursday 15 November, 19:45
Barbican Theatre


オナー・バウンド
2007年11月15日(木)
19時45分開演
バービカン・シアター










A production of rare intelligence and power Honour Bound pushes the limits of integrated live performance. It raises important questions about the balance between the pursuit of national security and human rights, making its point with a passionate and compelling force.

Set inside a towering metal cage, Honour Bound uses spectacular aerial acrobatics, theatre, dance and film to tell the story of Australian David Hicks and his incarceration in Guantanamo Bay. This deeply human story is seen through the eyes of Hicks's parents, combining their moving testimony with letters, internal Pentagon papers and the accounts of former detainees.

Honour Bound won the Helpmann Award for Best Visual or Physical Theatre Production.

Performance time: 19:45
Running time: 70 mins/no interval

Age guidance 16+
Contains nudity




Company


Honour Bound brings together two of Australia's leading theatre visionaries: director Nigel Jamieson and acclaimed Australian Dance Theatre choreographer Garry Stewart. Nigel Jamieson has directed some of the world's most enthralling large-scale productions, creating spectacular moments such as 400 Cambodian monks chanting in Angkor Wat and the Tin Symphony during the Opening Ceremony of the Sydney 2000 Olympics.


As Artistic Director of Australian Dance Theatre, Garry Stewart's choreography is renowned for the intense physicality of its style and its exploration of bodies pushed to physical and emotional extremes.


All from Babican Website.




この作品は、アメリカ軍によるアフガニスタンの捕虜収容所で行われた捕虜虐待の事実を基に出来ています。日本でも一時的にニュースで大々的に取り上げられたので、記憶にある方も多いと思います。アルカイーダに関与していたと思われるオーストラリア人、デイヴィット・ヒックスとその両親。そして、それをとりまく政府動向。

授業で、政治と芸術の関連についてよく触れますが、ここまで、政治的に強いメッセージをもった芸術作品には今までであったことがありません。観終わったあと、好きとか嫌いとか、この作品を楽しんだとか楽しまなかったとか、そういうレベルでは物を語れないショック状態になりました。


人間の残忍性とエゴイズム。


途中、これが現実で起きていたということを証明するために、グアンタナマモ基地やその他の収容所で米兵によって撮影された写真の数々が投影されました。それと同時に、舞台上では裸の役者たちが、その心理的/肉体的様子を再現しています。観ていて、嗚咽をもらす人もいるぐらい生々しい「感情」が場内を満たしました。

作品全体の印象は、舞台というよりドキュメンタリー。ナレーターや実際の報道声明や、映像を使用しているため、役者6人の台詞はありませんが、彼らの身体表現があまりにも心理的につよいメッセージ性をもっていて、動き事態が「ダンス」という枠を超えた振り付けでした。(むしろ体操にちかい。)


見終わったあと、この作品が好きとか嫌いとか、楽しんだとか楽しまなかったとか、そういった気持ちは全く湧きませんでした。ただ、目の前で起きたことが、あまりにも衝撃的で、現実的なのか、非現実的なのかさえもわからない状態でした。

「芸術で世界をうごかせるのか」とか「芸術は人に訴える力がある」となどというフレーズをよく耳にします。もし、それが本当ならば、この作品は間違いなくその原動力になると思います。けれど、ただ私たちが芸術に想いを託して、想いや願いををひとつの「作品」として終わらせてしまうのであれば、そこから先には進めないと思います。大切なのは、人々に「気づいて」もらい、その「気づき」を「行動」に移してもらうことです。この作品が、ひとつの舞台作品として終わらないように、その後につながるように、制作側も観客も意識することが大切だと思いました。












こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
仕事メモ:6月/演劇編
CATEGORY : [Theatre/Musical] 2007/07/12 09 : 46
Cymbeline - Cheek by Jowl
Written by William Shakespeare
Directed by Declan Donnellan
Designed by Nick Ormerod
Produced by Cheek by Jowl in a co-production with barbicanbite07, Les Gémeaux/Sceaux/Scène Nationale, Grand Théâtre de Luxembourg
Supported by Arts Council England


Plasticization / C'est a Dire
Nelisiwe Xaba
Seydou Boro
From Compagnie Salia nï Seydou


Floating - Hoipolloi presents a Hugh Hughes production

Created and performed by Hugh Hughes and Sioned Rowlands
Supported by Arts Council England
Listen to an interview with Hugh Hughes, Hoipolloi


●  ●  ●


Cymbeline:
これは本当に中で3回、外で4回立ち会いました。セリフを覚えるんじゃないかと…、シェイクスピア劇なので、それは有り得ませんでしたが。設定を現代にし、演出もかなり現代的にしてあるので、前半は「いったいどういう話なの?」「何が起きてるの?」と休憩中に尋ねられることもしばしば。私自身も詳しく理解しているわけではないので、とにかく「個人的には後半の方が気に入っています。色んなことが全部明かされて、色んなことが一気に起こるんですよ〜」と答えました。すると、案外帰りがけに、「君の言う通りだったね〜」と言ってくださるお客様が多かったです。この公演は、客席と舞台をこの公演のために大幅に改造してあったことや独特の演出効果のため、遅れ客や飲食の規制が厳しく、かなりフロントスタッフは対応にてこずりました。おまけにチケットトラブルが同じ日に、私の担当エリアで2件も発生し、開演〜5分前に劇場入り口とチケットオフィスとマネージャーを何回往復したことやら…どちらも最終的にはお客様が大満足で、帰りに「本当に素晴らしい時間を有難う」とわざわざ私を探してまでいらしてくださり、さらに握手までしてくださったので、走り回った甲斐があるというものです。ふゅー。


Floating:
個人的に仕事中にも関わらず、大笑いして観てしまいました。さすがフリンジで叩き上げられている人々です。ステージではコミカルなのに、普段舞台裏なので顔を併せると、とても誠実で真摯で、なんだかハッとさせられました。やっぱり頭良い人だなー。



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蜷川シェイクスピア:コリオレイナス
CATEGORY : [Theatre/Musical] 2007/04/30 05 : 58
2007年4月25日(水)
19:15開演
バービカンセンター


作:W・シェイクスピア 
訳:松岡和子
出演:唐沢寿明 白石加代子 勝村政信 吉田鋼太郎 瑳川哲朗 他

* * * * *


やっぱり日本人として、一度ぐらいは蜷川シェイクスピアを見ておこうと行ってきました。
賛否両論の蜷川だけでに、かなり楽しみにしていました。
(おまけに、バービカンは水曜日は学生は半額なのです。ラッキー♪)

感想を率直に言うと、Westを大分意識した舞台作りだったなぁと。
衣装にせよ、背景にせよ、効果音楽にせよ…「じゃぱん」っていうのに徹していたと思います。
闘いのシーンの刀がぶつかり合う効果音は、ちょっとやりすぎな気もしましたが…
背景に、大陸的な仏陀像や般若心経の写経文字などが使われていたり、最後の弔いシーンにも般若心経だったり、大和太鼓の音だったり…

一番不可解だったのは、字幕。
あの字幕の位置はハッキリ言ってみにくいと思う。
舞台から完全に視界が途切れてしまう。
それに、しょうがないけれど、省略度が激しかった。

圧巻だった役者さんは、母親役の白石加代子さん。
さすがです。
ささやき声ですら、よく通る。
それに、後ろ姿だけで物言う演技。
貫禄が違いました。

あとは、1幕2幕が長かった…
1幕だけで2時間…
(映画1本見終わっちゃいます)
そして休憩時間が15分程度。
あぁやっぱり日本のカンパニーだと思いましたけどね。笑
オペラ座などでは、たいてい20〜30分、もし休憩が2回あるときでも、15分20分です。
幕間にご飯とかワインとか厳しいですね、あの休憩時間の長さでは。
と、なぜか運営のことばっかり気になるのでした。笑

そういえば、初日だったためか、藤原竜哉氏が見えていました。
たぶんその周辺の人は、招待客なのでしょう。
いかにも「業界人」といった風貌でしたので。


とにもかくにも、初蜷川でしたが、外国でウケるのが解った気がしました。




こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
カンボジア演劇
CATEGORY : [Theatre/Musical] 2007/04/01 23 : 59
2007年3月31日(土)
17時開演
バービカンシアター


Weyreap's Battle
→カンパニー/演出/制作については、バービカンサイトを御覧ください。
劇中の写真ショット

 * * * * *

カンボジア2

カンボジア①


日本の大学で、のめり込んだ講義のなかに「民族音楽学」がありました。それ以来、観てみたかったカンボジア伝統芸能が、ロンドンにやってくる!と知り、行ってきました。VTRで何どもみた楽器の生演奏やユネスコ認定の無形世界文化遺産のダンス(振り?)もあり、大興奮でした。

話の筋は…、簡単なようでフクザツ。
サルの世界の話かと思いきや、突然竜宮城らしきものがあらわれたり、主人公だと思っていたWeyreapは実は悪役で、最後には…ヤラレル。突っ込みどころ満載な筋書きではありましたが、楽しかったので○。

写真からもおわかりの通り、本当に色鮮やかです。それから神秘的だと特に思ったのは、公演冒頭の祈りの儀式。お面(ヘルメット型)を神座に置き、お供え物をし、観客も一緒にお祈りの儀式をしました。


民族音楽でやったことが、こうやって目の前で繰り広げられると、不思議な感じもします。でも、やっぱり生を観てこそ、なるほどと納得が行くし、紙面上では味わうことの出来ない"tension"がひしひしと伝わってきます。








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