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バレンボイム:ベートヴェンPソナタ全曲演奏会2
CATEGORY : [Music: Concerts/Recitals] 2008/02/04 11 : 02
ダニエル・バレンボイム
ベートヴェン・ピアノソナタ全曲演奏会
第2回目 

2008年2月3日(日)
15:00開演
ロイヤル・フェスティバル・ホール


Sonata in A, Op.2 No.2;
Sonata in D minor, Op.31 No.2 (Tempest);
Sonata in G, Op.14 No.2;
Sonata in E flat, Op.81a (Les adieux)


会場であるサウスバンクセンターの特設サイトにアクセスすると、マエストロのインタビューなどがきけます。期間限定だとおもわれますので、お早めにどうぞ!

http://www.southbankcentre.co.uk/festivals-series/barenboim-beethoven-sonata-cy





昨日、マエストロがFood Poisoning(食中毒?食あたり?)で『Artist as Leader』という講演会をキャンセルしたため、今日の演奏会があるのかドキドキしていましたが、5分押しで無事開演。


今日のマエストロは、濃いグレー(たぶん)のスーツに白いシャツ、ストライプのネクタイでした。日曜日の午後ということも手伝ってか、前回よりも10歳以下の子供が目立ちました。が、俄然、年齢層が高い上に「西洋人」ばっかりでした。苦笑


1曲目はソナタ第2番。
とても柔らかい1楽章とは対照的に、2楽章はどんどんテンポが落ちていき、mollに転調したところでは、葬送行進曲かと…。3楽章と4楽章は、細かいペダリングで、シンプルにまとめられていました。

2曲目は第17番「テンペスト」
全体的に遅めのテンポで、轟々と吹き荒れる嵐ではなく、12月に見たRSCのリア王を彷彿させる演奏で、何かに急に不安にかられ、静かに荒れ狂う人間の心をあらわしているかのようでした。2楽章のあの象徴的な左手のオクターブの部分は、鼓動のようにも聞こえ、なんともキザな表現とも思いいますが「母の腕に包まれているよう」でした。優しい笑みをうかべる聖母マリアさえも思い起こされました。ソステヌート・ペダルを使ってはじまった3楽章は、2楽章によどみなくあった安堵感を一気に消し去ってしまいました。けれども、なんだろう、うまく言えないですが、この歳のバレンボイムだからこそという演奏を聴いたように思いました。


休憩を挟んで、第14番。
学生時代に、試験中によく耳にしたソナタの一つですが、この作品を聴いていて、まず思い浮かんだのが、伴奏でくっついていったヴァイオリン教授のお言葉。「難しいと思うものは易しいと思うまで、易しいと思うものは難しいと思うまで、さらいなさい」確かに小中学生でも演奏出来る作品を「芸術」という域で、最高レベルまで引き上げるのは、簡単なようであって、本当に難しいことです。音のニュアンスの付け方、和音のバランス、すべてが「さすが!」でした。

本日最後は、作品81a。
なかなか演奏会で聴く機会の少ないソナタですが、ロマン派的な和音の使い方が14番とは異なり、ベートヴェンの音楽的な変化が面白く感じられました。



今日は、前回と同じ席に座りましたが、ピアノがこの間よりも鳴っているように感じました。ピアノと言うのは、図太そうに見えて、実はとても繊細な楽器で、音の鳴り方やタッチ(アクションの反応や鍵盤の感触)が場所や天気、取り扱い状態などで如実に変化します。ピアノ弾きとしては、そういう諸々を個性ととらえ、楽しいとも思えますが、いざ演奏となると、これが厄介な問題にもなります。また、マエストロ自身も、昨日の食中毒キャンセルをものともしない様子で、むしろ前回よりも「安定」した感が強かったです。何がそう思った原因なのかはよくわかりませんが、ピアノもマエストロと一緒に音楽を楽しんでいるかのようで、なんだか、この間とはだいぶ違う印象をうけました。あえて言うなら、今日のマエストロは「ピアニスト・バレンボイム」だったってことでしょうか。


休憩中にお隣にいらした英国人の初老(!?)女性とお話をしました。English Chamber Orchestraに、69〜74年までファゴット奏者(英語ではファゴットをBassonというので、もしかしたら本当にバスーンなのかもしれません)として在籍されていたそうで、その時期にバレンボイムが指揮者としてやってきたり、ソリストとしてモーツァルトを演奏したり、ズッカーマンやデュ・プレ等と頻繁に競演したそうです。まさに「Golden Age」です。その女性は、私が時々メモをとっているのに気づき、ピアニストなの?と声をかけてくださりました。ピアニストを夢見たこともありますが、今は音楽マネジメントを勉強していて、マエストロの音楽性も音楽を超えた活動も深く尊敬しています、と答えると、それがよほど興味深いと思ったのか、休憩時間目一杯に質問をしてくださいました。初老と書きましたが、たぶん70歳ぐらいのおばあちゃんです。綺麗な銀髪のショートカットに赤いコート、エンジ色のタートルとブローチをつけていらして、とても素敵でした。身長は私とあまり変わりませんが、大きな「音楽家の手」をしてらっしゃいました。

演奏会には、こうやって様々な想い出をもって、様々な理由でお客様がやってきます。そして、皆、同じ音楽を聴いて、違うことを感じ、でも、笑顔で帰っていきます。そういう空間が、そういう瞬間が私は大好きです。音楽をやっていてよかった、音楽が人生の友であるということがどんなに恵まれていて、どんなに素晴らしいことなのか、改めて音楽に感謝した午後でした。






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