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WPOニューイヤーコンサート2009
CATEGORY : [Music: Concerts/Recitals] 2008/12/07 08 : 30
2009年ウィーンフィルのニューイヤーコンサート、
指揮は私の世界で一番敬愛する音楽家の一人で、私の道しるべ的存在の

巨匠ダニエル・バレンボイム

ですっ!!
うきゃ〜っ><

遅まきながら、今知りました…(汗)

↓詳しくはコチラから↓
New Year's Concert 2009 with Daniel Barenboim


この興奮を発したい〜っ!
でも、だれもすぐに話せる人がいない〜っ!
てなわけで、書き込みしました。笑

あぁ、誰かわかってください、私のこの興奮。
世界中に向かって叫びたいっ☆←大げさ!?(苦笑)



2009年元日、ますます(!?)楽しみです☆
もうこれはTVの前で正座で聴かないと!
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こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
BBC Proms: ザ・マエストロ
CATEGORY : [Music: Concerts/Recitals] 2008/08/19 09 : 26
2008年8月14日(木)
19時開演
ロイヤル・アルバート・ホール


BBC Proms:


Haydn Sinfonia Concertante in B flat major, for oboe, bassoon, violin, cello*
Schoenberg Variations for Orchestra, Op.31
Brahms Symphony No.4


Daniel Baremboim
West-Eastern Divan Orchestra




バレンボイムとWest-Eastern Divan Orchestraはやっぱり良かったです。
前日のデュダメルはやっぱり若いなと。苦笑


ブラームス、本当にガッツがある演奏で、2月にマエストロが「音楽家にとって一番大切なのは“お腹”で音楽を感じて、そこから音を創ることです」といってたのがよく解りました。

このオケは、バレンボイムと哲学者サイードが99年に才能あるパレスチナ人、イスラエル人、アラブ人の若い音楽家のためにつくった特別なオーケストラです。といっても、何が特別なのか日本ではよくわからないのですが、このパレスチナ、イスラエル、アラブというのは、政治的に非常に難しい地域で、民間レベルで人間の交流をもつというのができない地域です。何せパスポートに「○○人の支配する領域への立ち入りを禁ずる」とかいてあるぐらいですから(イラン人の友達のパスポートにはパレスチナ領域への入国は認めないってあった)。その政治的/歴史的わだかまりを音楽でなんとかできないかと立ち上がったのが、バレンボイムとサイードなのです。

毎年夏にスペインのアンダルシアで合宿を行い、演奏ツアーにでるのですが、最近は楽団員のなかに、アンダルシア人(やはりスペイン内でも民族問題が激しい)とあのヴェネズエラ青少年オーケストラのメンバーも何人か加わっているようで、ますます世界和平への大きな希望となるような団体になりつつあります。

てなわけで、私はその志も彼らのキラキラする音楽も大好きなわけです。マエストロ自身、ユダヤ人でそのイスラエルへの想い入れは相当なものだと思いますが、彼の素晴らしいのは「私は政治家ではなく、音楽家だ」という姿勢です。

オーケストラのメンバーの出身国での演奏会は、やはり政治的なことが大きな憚りとなり実現はできていないのですが、それでもこうやって世界を回ることで、若い才能を伸ばしつつ、世界へ何かを訴えられるというのは、なかなかできないことです。

何よりも観衆が熱狂したのは、アンコール前のスピーチです。

Ladies and gentlemen, whenever we have come to Proms in the past, I have some reasons for other, always been made to feel that I have to say a few words about what is wrong in the Middle East. The last time it was just before we went to Lamala. Well, I am not going to do that tonight, because you just heard what is right in the Middle East! (Pointing the all members of orchestra)

We will, nevertheless, with your permission, play the encore.

I always like to put programmes where the major works by Schoenberg, one by Brahms, and one by Wargner, because I'm always fascinated how he manage to make a synthesis of the influence of two people who coudldn't stand each other because of the music.


バレンボイムの本「Everything is connected」がやはり14日に発売になったんですが、はやくよみたーい!

バレンボイム、本当に素晴らしい人です。
マエストロの創る音楽や言葉を耳にする度に、心がぐわっと揺さぶられます。
私もマエストロには到底およばないけれど、こうやって人を音楽で動かせられる仕事がしたいです。
がんばるぞー。




こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
5月鑑賞ノート
CATEGORY : [Music: Concerts/Recitals] 2008/06/19 08 : 40
5月11日(日)
バービカンホール

Schoenberg: Die glückliche Hand, Op 18
Matthias: Pintscher Osiris (British premiere)
Bartók: Duke Bluebeard's Castle

Pierre Boulez conductor
Michelle De Young mezzo-soprano
Peter Fried bass
BBC Singers
London Symphony Orchestra


初めて「青髭公」を聴いたのですが、すっごい迫力。ただ、ソプラノがかなりオケに飲まれていてちょっとあっけなく聴こえるときもあったのが残念でした。
ブーレーズ、いいです。




5月13日(月)
Christie's South Kensington
Japan Society主催
日本美術コレクション鑑賞会


無知って怖い。Christie'sでそう思いました。日本担当のキューレーターのガイドで10点ほど見て回りました。日本美術は細部まで細かく繊細に作り込まれていて完成度が極めて高いことは、中国美術品とは比べ物にならないそうです。特に1851年に開催されたGreat Exhibition(Crystal Palaceがハイドパークに建設されたのもこのとき)で、初めて英国内(たぶん欧州内)で「日本の美術品」が公に展示されて、そこから一気に異邦地ジャパンへの憧れと興味が沸騰したそうです。それまでは、本当に王侯貴族のみの楽しみだったのだろうと推測されます。日本の美術品が江戸時代の鎖国中にも、貿易商品として高値で世界に出回っていたことは知っていましたが、その中の品物が目の前にあると思うと、不思議な感覚です。おまけに触れる手&写真が撮れるオークションなので、どんなに高価なものでも触れるのが良い所です。過去に落として割ってしまった人もいるらしいですが…(そういう場合って、落札推定価格を代償金で払うのかな?)

伊万里焼、薩摩焼、七宝焼、象牙彫刻、印籠、刀、浮世絵、水墨画、巻物、根付け、…。色々ありました。気分は美術館乙女座どれも美術館所蔵並の品ばかりなのですが、なにせ「本物」なので、推定落札価格をみて、気が遠くなりました。お年玉2〜3年分ぐらい叩けば、なんとか買えそうのもあったけど…、上は私の修士学費分ぐらいのもあったな

フランスから来たコレクターのご夫婦がいらしたり、中国人のパワフルな買い付けおばちゃん(たぶんプロ)がいらしたり…、あ、アシスタントのお姉さん、日本刀をお客さんに見せてたときに指切ったそうですたらーっ(汗)今も首の皮一枚残してバッサリいける状態保持らしい←強盗には気をつけないと。

初めて印籠触れてルンルン。広重の東海道五十三次の世八カ所目と、鯉のぼりの浮世絵を超接近してみられてウキウキ。象牙の彫刻で、江戸の粋を感じて興奮最高潮。象牙彫りの江戸人をみていると、今にも会話や音楽、周りの喧噪が聴こえてきそうなんですよね。やっぱりこういうの好きだな。

日本人にうまれて、それが当たり前過ぎて、何がどう素晴らしくて価値があるのか、今まで自国文化や美術品への理解が薄かったですが、これを機にもう少し積極的に勉強したいと思います。蛇足ですが、会場にあった燃えるような赤ピンクの八重の芍薬がそれは見事でした。




5月17日(土)14:00
Royal Ballet
Mixed Programme: Dances at a Gathering / The Dream

Dance at a Gatheringはショパンのピアノ曲集でした。なんだかショパンに踊りがつくというのも、理解出来る様で、不思議な様で、なかなか腐れピアノ科の私には新鮮でした。The Dreamは、メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」でした。結婚行進曲もしっかりありましたが、結構劇中ではあっさり進んでしまうんですね(苦笑)
この日は大ハプニングがあって、The Dreamのパックが、途中で足を負傷。明らかに「!?」とおもったのですが、やっぱり途中で中断、ステマネがステージに出てきて「今、新しいパックを探しにいきますので、そのままお待ちください」と言ってから15分。「新しいパックが運良く見つかりましたので、続きを始めます」。聞いた所によると、このパック役はトリプルキャストで、既に2人が負傷していたそうです。なので、常に舞台袖には代役ダンサーが控えていたらしいです。にしても、舞踊はこういうことも想定して当日を迎えないといけないのだと、変な所で冷や汗をかきました。




5月20日(火)19:30
Royal Opera House
プッチーニ作「トスカ」

Director:Jonathan Kent
Designs:Paul Brown
Lighting:Mark Henderson

Conductor:Antonio Pappano
Floria Tosca:Martina Serafin
Mario Cavaradossi:Jonas Kaufmann
Baron Scarpia:Paolo Gavanelli
Spoletta:Hubert Francis
Cesare Angelotti:Kostas Smoriginas
Sacristan:Enrico Fissore
Sciarrone:Darren Jeffery
Shepherd Boy:Thomas Payne
Gaoler:John Morrissey

またもやハプニングのROHで、本当はトスカ役がMicaela Carosiだったのですが、急病で急遽ダブルキャストだったMartina Serafinになりました。開演前にアナウンスがあり「昨日突然代役をたてることになり、急遽呼び寄せた」そうです。にしても、本番はすばらしかったです。
Gavanelliは本当に貫禄があって、存在感が抜群でした。
が、絶対に泣くと思って心構えをしていったのに、涙すらこみ上げてこず、私としては少々不完全燃焼でした。前にDVDを観た時は、心が動いたのに…。うーん。




5月26日(月・祝)13:30
Royal Ballet
プロコフィエフ「ロミオとジュリエット」
マクミラン版

バレエは、どうしても牽制がちなのですが、折角ロンドンにいるのだしとチケットをとりました。プロコのロミジュリ組曲は、昨年にLSOxゲルギエフでも聴いてますし、何せ有名曲なので一体どんな振りがつくのかと楽しみでした。全体的に「クラシック」な印象を受けました。セットも衣装も、時代通り。ステージの転換がオペラ以上激しく、そちらにびっくりしました。
もうちょっと上のレベルで楽しめるようになるためにも、色々みないといけないかなと。




5月27日
ロイヤルフェスティバルホール
クリスティアン・ツィメルマン ピアノリサイタル

Bach:Partita in C minor, BWV826
Beethoven:Piano Sonata No.32 in C minor, Op.111
Brahms:Klavierstücke, Op.119
Szymanowski:Variations on a Polish Theme, Op.10

おもしろかったです。
1つ目は、バッハからベートヴェンに移る時に、鍵盤取り替えたんです。会場中に「!!」の嵐。でも、聴いて納得。音ががらりと変わりました。固くて強い近代的な音に。さすが細部にこだわるZ氏です、してやられたりといった感じでした。
2つ目は、シマノフスキ。ああ、もうこの人、血で音楽作ってるなと思いました。バッハやベートーヴェン、ブラームスで感じた「学術的」な感覚がないのです。すべてを超えて、心にずーんと伝わってくる演奏でした。
やっぱり音楽はこうでないといけないですよね、頭でつべこべ考えるのも大切だけれども、心に響くものがないと。やっぱりZ氏は、私にとって世界で最も敬愛し、いつも考えさせる音楽を奏でる音楽家の一人です。



こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
4月鑑賞ノート
CATEGORY : [Music: Concerts/Recitals] 2008/06/19 07 : 48
4月1日(火)18:00
主催:国際交流基金
白玉羊屋/指輪ホテル、トークイベント

日本でもなかなか面白いことが発信されているということを知りました。
と、同時に通訳の大切さ、難しさを知ったような。




4月2日(水)19:30
ロイヤルフェスティバルホール
内田光子ピアノリサイタル

Schubert Piano Sonata in C minor, D.958
Kurtág Antiphon in F sharp major
Bach The Art of Fugue, BWV 1080: Contrapunctus I
Kurtág Tumble-Bunny
Kurtág Portrait 3
Kurtág Dirge 2
Kurtág Hommage à Christian Wolff (Half-Asleep)
Bach French Suite no.5 in G major, BWV 816: Sarabande
Kurtág Spiel mit dem Unendlichen
Schumann Symphonic Etudes, Op.13

詳しくは、こちらで。





4月3日(木)19:30
バービカンホール

Tchaikovsky Violin Concerto
Stravinsky The Firebird - Suite (1911)

Daniel Harding conductor
Midori violin
London Symphony Orchestra

東京に帰ったかと錯覚をするほど、日本人率が高かったです。
すごく緊張してました、みどりさん。




4月5日(土)19:30
コロセウム (London Coliseum)
"Push"
Sylvie Guillem & Russell Maliphant


Sadler's Wellsで制作され、昨年の公開シーズンには常に完売。
満を持して、コロセウムで上演されたわけですが、非常に新感覚で、とても面白かったです。敢えて不満があるとすれば、やっぱり700〜800席程度の規模の会場で見たいですね。

↑のリンクに飛ぶと、短いビデオクリップがみられます。




4月6日(日)19:30
バービカンホール

Britten Violin Concerto
Brahms Symphony No 2

Daniel Harding conductor
Midori violin
London Symphony Orchestra

チャイコより、のびのびした印象をうけました。
休憩時間中にfoyerに出ていらしたミドリさんと一緒に写真を撮って頂けて、嬉しかったです。




4月14日(月)
Hampstead Theatre, 16:00-, 19:30-
"War and Peace" by Shared Experiennce

舞台の使い方が上手かったです。全6時間近い上演時間もまんざらでもないです。
会場も設計の仕方が面白かったですね、でも、ちょっと不便。
(去年すごく近くに住んでたのに1回も行かなかったことに後悔)




4月17日(木)18:30-
Alison Weir
新作『The Lady Elizabeth』朗読会
Hampton Court Palace

インターンでのお手伝いでした。が、今回のインターンのおかげで、最近すっかり英国王室史にハマっている私。しっかり本にサイン頂いて大満足です。恐怖の大魔王(=修論)が去ったら、読みます。笑




4月30日(水)19:30
バービカンホール

Bartók Concerto for Two Pianos and Percussion
Schoenberg Five Orchestral Pieces, Op 16
Stravinsky Chant du rossignol
Pierre Boulez Notations I, II, III, IV, VII

Pierre Boulez conductor
Pierre-Laurent Aimard piano
Tamara Stefanovich piano
London Symphony Orchestra


なんでしょうね、なんかバランスがわるかったです、バルトーク。
Aimardが出てたり豪華だったんですが、しっくりこなかった。
友人曰く、レコードで聴くには良い曲だね、と。
違う友人は、ブーレーズの指揮はすごく解りやすい、とのこと。
確かに拍感がこまめに変化するので、基本に従った指揮法でしたね。






こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
内田光子リサイタル
CATEGORY : [Music: Concerts/Recitals] 2008/04/17 06 : 49
Mitsuko Uchida Piano Recital
Wednesday April 2, 2008
Royal Festival Hall
19:30


Schubert Piano Sonata in C minor, D.958
Kurtág Antiphon in F sharp major
Bach The Art of Fugue, BWV 1080: Contrapunctus I
Kurtág Tumble-Bunny
Kurtág Portrait 3
Kurtág Dirge 2
Kurtág Hommage à Christian Wolff (Half-Asleep)
Bach French Suite no.5 in G major, BWV 816: Sarabande
Kurtág Spiel mit dem Unendlichen
Schumann Symphonic Etudes, Op.13





光子さんの初ソロリサイタルです。
神がかったコンチェルトから約1年、とても楽しみにしていました。
背中を左斜め前方に眺める位置だったけれど、音響は抜群。


シューベルトのc-mollソナタは目を開かされる演奏でした。新鮮というのか。きっちりした感があって、重厚感も適度。音がすごく詰まった響きで、四角い感じがしました。1楽章は、シューベルト的というか、ドイツ的な音だった気が…。2楽章はペダルが本当に細かくて、でも、とてもやわらかかったです。

前半後半は、ハンガリー作曲家の現代作品とバッハ作品を組み合わせて、面白かったです。Fisが保持音となっているAntiphony in Fisから、そのままバッハのContrapunctus 1へ。躍動が激しいTumble-bunnyとDirge 2。どこか宇宙的で浮いているような音楽のHommage a Christian Wolffから切れることなくバッハのイギリス組曲第5番サラバンド。バッハって本当は物凄く自由な音楽なのかなと思いました。〆のPlay with Infinityは、本当に面白い曲。何が面白いか。鍵盤88鍵を一番上から順に下ってくるある意味普遍的な旋律とそれを取り巻くようにそこここに浮かぶ音の固まりたち。88鍵という限られたものから広がる「infinity」。そしてそれで遊ぶ私たち。また聴きたいです。

後半のシューマンの交響的練習曲は、初版(?)によるオリジナル版(Posth. variationが含まれていない版)でした。これを一番楽しみにしていたのですが、ごめんなさい、途中で飽きちゃいました。プロの人の演奏会を聴きにいって、こういう感じを受けるのは初めてでした(聴いてて心配になる瞬間が一番怖かったです。)


でも、でも、やっぱりアンコールのモーツァルト(ソナタ K330 C Durの2楽章)はさすが。
聖域です。拝みたくなりました。
アンコール2曲目のシューベルトの即興曲(D899 No.3)もハラショー。
1番最初のシューベルトは別人でした。



光子さんといえば、近年ベートヴェンに力をいれていらっしゃいますが、最近発表になったCDがBBC Music Award 2008の大賞に選ばれました。収録曲は、Piano Sonata No. 28 in A, Op. 101; No. 29 in B flat, Op. 106 (Hammerklavier)です。販売元はPhilip社。



The Independent Review *****


The Times Review ***






こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
バレンボイム:ベートヴェンPソナタ全曲演奏会2
CATEGORY : [Music: Concerts/Recitals] 2008/02/04 11 : 02
ダニエル・バレンボイム
ベートヴェン・ピアノソナタ全曲演奏会
第2回目 

2008年2月3日(日)
15:00開演
ロイヤル・フェスティバル・ホール


Sonata in A, Op.2 No.2;
Sonata in D minor, Op.31 No.2 (Tempest);
Sonata in G, Op.14 No.2;
Sonata in E flat, Op.81a (Les adieux)


会場であるサウスバンクセンターの特設サイトにアクセスすると、マエストロのインタビューなどがきけます。期間限定だとおもわれますので、お早めにどうぞ!

http://www.southbankcentre.co.uk/festivals-series/barenboim-beethoven-sonata-cy





昨日、マエストロがFood Poisoning(食中毒?食あたり?)で『Artist as Leader』という講演会をキャンセルしたため、今日の演奏会があるのかドキドキしていましたが、5分押しで無事開演。


今日のマエストロは、濃いグレー(たぶん)のスーツに白いシャツ、ストライプのネクタイでした。日曜日の午後ということも手伝ってか、前回よりも10歳以下の子供が目立ちました。が、俄然、年齢層が高い上に「西洋人」ばっかりでした。苦笑


1曲目はソナタ第2番。
とても柔らかい1楽章とは対照的に、2楽章はどんどんテンポが落ちていき、mollに転調したところでは、葬送行進曲かと…。3楽章と4楽章は、細かいペダリングで、シンプルにまとめられていました。

2曲目は第17番「テンペスト」
全体的に遅めのテンポで、轟々と吹き荒れる嵐ではなく、12月に見たRSCのリア王を彷彿させる演奏で、何かに急に不安にかられ、静かに荒れ狂う人間の心をあらわしているかのようでした。2楽章のあの象徴的な左手のオクターブの部分は、鼓動のようにも聞こえ、なんともキザな表現とも思いいますが「母の腕に包まれているよう」でした。優しい笑みをうかべる聖母マリアさえも思い起こされました。ソステヌート・ペダルを使ってはじまった3楽章は、2楽章によどみなくあった安堵感を一気に消し去ってしまいました。けれども、なんだろう、うまく言えないですが、この歳のバレンボイムだからこそという演奏を聴いたように思いました。


休憩を挟んで、第14番。
学生時代に、試験中によく耳にしたソナタの一つですが、この作品を聴いていて、まず思い浮かんだのが、伴奏でくっついていったヴァイオリン教授のお言葉。「難しいと思うものは易しいと思うまで、易しいと思うものは難しいと思うまで、さらいなさい」確かに小中学生でも演奏出来る作品を「芸術」という域で、最高レベルまで引き上げるのは、簡単なようであって、本当に難しいことです。音のニュアンスの付け方、和音のバランス、すべてが「さすが!」でした。

本日最後は、作品81a。
なかなか演奏会で聴く機会の少ないソナタですが、ロマン派的な和音の使い方が14番とは異なり、ベートヴェンの音楽的な変化が面白く感じられました。



今日は、前回と同じ席に座りましたが、ピアノがこの間よりも鳴っているように感じました。ピアノと言うのは、図太そうに見えて、実はとても繊細な楽器で、音の鳴り方やタッチ(アクションの反応や鍵盤の感触)が場所や天気、取り扱い状態などで如実に変化します。ピアノ弾きとしては、そういう諸々を個性ととらえ、楽しいとも思えますが、いざ演奏となると、これが厄介な問題にもなります。また、マエストロ自身も、昨日の食中毒キャンセルをものともしない様子で、むしろ前回よりも「安定」した感が強かったです。何がそう思った原因なのかはよくわかりませんが、ピアノもマエストロと一緒に音楽を楽しんでいるかのようで、なんだか、この間とはだいぶ違う印象をうけました。あえて言うなら、今日のマエストロは「ピアニスト・バレンボイム」だったってことでしょうか。


休憩中にお隣にいらした英国人の初老(!?)女性とお話をしました。English Chamber Orchestraに、69〜74年までファゴット奏者(英語ではファゴットをBassonというので、もしかしたら本当にバスーンなのかもしれません)として在籍されていたそうで、その時期にバレンボイムが指揮者としてやってきたり、ソリストとしてモーツァルトを演奏したり、ズッカーマンやデュ・プレ等と頻繁に競演したそうです。まさに「Golden Age」です。その女性は、私が時々メモをとっているのに気づき、ピアニストなの?と声をかけてくださりました。ピアニストを夢見たこともありますが、今は音楽マネジメントを勉強していて、マエストロの音楽性も音楽を超えた活動も深く尊敬しています、と答えると、それがよほど興味深いと思ったのか、休憩時間目一杯に質問をしてくださいました。初老と書きましたが、たぶん70歳ぐらいのおばあちゃんです。綺麗な銀髪のショートカットに赤いコート、エンジ色のタートルとブローチをつけていらして、とても素敵でした。身長は私とあまり変わりませんが、大きな「音楽家の手」をしてらっしゃいました。

演奏会には、こうやって様々な想い出をもって、様々な理由でお客様がやってきます。そして、皆、同じ音楽を聴いて、違うことを感じ、でも、笑顔で帰っていきます。そういう空間が、そういう瞬間が私は大好きです。音楽をやっていてよかった、音楽が人生の友であるということがどんなに恵まれていて、どんなに素晴らしいことなのか、改めて音楽に感謝した午後でした。








こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
バレンボイム:ベートヴェンPソナタ全曲演奏会1
CATEGORY : [Music: Concerts/Recitals] 2008/01/31 10 : 35
ダニエル・バレンボイム
ベートヴェン・ピアノソナタ全曲演奏会 
第1回目

2008年1月28日(月)
19:30開演
ロイヤル・フェスティバル・ホール


Sonata in F minor, Op.2 No.1;
Sonata in E flat, Op.31 No.3;
Sonata in B flat, Op.106 (Hammerklavier)



会場であるサウスバンクセンターの特設サイトにアクセスすると、マエストロのインタビューなどがきけます。期間限定だとおもわれますので、お早めにどうぞ!

http://www.southbankcentre.co.uk/festivals-series/barenboim-beethoven-sonata-cy




心から尊敬する人物の一人であるバレンボイムの、私にとって初めてのピアノソロ演奏会。それが、ベートヴェンピアノソナタ全曲演奏会シリーズになるとは!How lucky I am!!!

まず、この演奏会の客層が、本当にステレオタイプな客層(いわゆるWhite-Middle class British)で、アーツマネジメントを学んでる身としては、思わずマーケティングの用語が頭の中をぐるぐる回って、でも、こういう雰囲気を「楽しい」「心地よい」と思う自分にもちょっと驚いたり…。でも冷静に考えると、私はこういう環境のなかで育ってきたので、当然なのかと思うと、やっぱりこれもブルデューのいう「Habitus」で、結局「Cultural Capital」なのかなと思ったり…


さて、マエストロ。
黒いシャツに燕尾服で、白いハンカチを片手に颯爽と登場し、ステージ上の客席(コーラス席)にも深々とお辞儀。

ピアノソナタ第1番(Op.2 No.1)は、私が初めて取り組んだベートヴェンソナタでもあるため、なんだか個人的な思い出の回想が終始忙しく、はっと気づいたら1楽章終了。こんなにあっさりしていた楽章だったかなと思いつつ、2、3楽章へ。神がかったような細やかで柔らかい音の連続とは対照的な希薄ある4楽章。自分が学んだ曲と同じとは到底思えない演奏でした。

18番(Op.31 No.3;)は、風がさわやかに吹き抜けていくようでした。

休憩を挟んでの29番『ハンマークラーヴィア』は、ベートヴェンが当時持っていたピアノの機能性を最大限に活かして作った作品。ピアノが生み出せる様々な表情が凝縮された作品。特に印象深かったのは、3楽章で、マエストロが螺旋を描くように生み出す不思議な空間に、呼吸をするのもわすれるほど、吸い込まれていきました。4楽章は、途中、マエストロの魂がどこかに飛んでいってしまったような瞬間があったにせよ、作品をそこからわしづかんだような深い味わいのある演奏でした。


日本語で何と訳したら良いのかわからないのですが、とにかく作品ひとつひとつとのengagementの深さが伝わってくる演奏でした。

マエストロの演奏を聴いていて強く思ったのは、私はベートヴェンを聴きにいったのではなくて、バレンボイムを聴きにいったということです。上手く説明出来ないのですが、演奏を聴いている最中は、マエストロのアプローチがあまりにも新鮮だったり古典的だったり忙しいので、ベートヴェンのことを想う余裕がないのです。

それから、マエストロの演奏は、ピアノ演奏というより、オーケストラのピアノ編曲バージョンを聴いているという印象を受けます。きっと、演奏するときにマエストロの頭の中には、ピアノ以外の楽器の音もあってinterpretation(解釈?)をしているのでしょう。


演奏会の後、世界的にも権威のあるRoyal Philharmonic SocietyからマエストロにGold Medalが授与されました。これは、マエストロの演奏活動のみならず、彼のWest-Eastern Divan Orchestraなどを含んだライフワークへの高い評価もあっての授与です。過去のGold Medal受賞者には、ブーレーズ、ブレンデル、アバド、ドミンゴ、ラトル、マッケラス、フィッシャー=ディスカウなどがいます。私がバレンボイムを敬愛する理由として、彼の音楽を通じた和平活動とその彼の数々の講義に代表される学術的造詣の深さがあります。近い将来、マエストロがノーベル平和賞を授与されると良いなぁと密かに願っています。


次回、第二夜は、2月3日(日)。
プログラムは以下の通りです。
 Sonata in A, Op.2 No.2;
 Sonata in D minor, Op.31 No.2 (Tempest);
 Sonata in G, Op.14 No.2;
 Sonata in E flat, Op.81a (Les adieux)


あ、そうです。
演奏会終了後にサイン会があって、もちろんサイン頂きました!
いつかマエストロとWest-Eastern Devine Orchestraを日本に招聘できるように、頑張ります!






Gold Medal授与に関して、Royal Philharmonic Societyのwebsiteから抜粋。

Gold Medal for Daniel Barenboim

Daniel Barenboim has been awarded the Royal Philharmonic Society Gold Medal, one of the most prestigious honours in classical music.

He was presented with the medal by Graham Sheffield Chairman of the Royal Philharmonic Society at London’s Royal Festival Hall on Monday 28 January following the opening concert of his Beethoven Sonata Cycle.

The RPS Gold Medal was initiated in 1870 to commemorate the Centenary of Beethoven's birth and bears the effigy of Beethoven. It is awarded for the most outstanding musicianship. Fewer than 100 medals have been presented in the intervening years. Current Gold Medal recipients include: Claudio Abbado, Janet Baker, Pierre Boulez, Alfred Brendel, Elliott Carter, Colin Davis, Placido Domingo, Dietrich Fischer-Dieskau, Bernard Haitink, Charles Mackerras, Simon Rattle and Joan Sutherland.

Commenting on the award, Graham Sheffield, RPS Chairman said:

“Daniel Barenboim is not only one of the world's great pianists and conductors, but he has proved to be a passionate ambassador for the message that music plays a vital role in a healthy society. He is also a great advocate for contemporary music, and has performed and commissioned many new works. His activities and influence are truly international. He has shown great courage in demonstrating music's power to transcend political boundaries and racial enmities, and made a major contribution to intellectual debate”.






こめんと [ 0 ] とらっくばっく [ ]
Das Rheingold
CATEGORY : [Music: Concerts/Recitals] 2007/10/15 03 : 46
2007年10月12日(金)19:30開演
英国王立歌劇場

Friday, 12 Oct 2007, 19:30
Royal Opera House
Main Auditorium




Das Rheingold
Richard Wagner
Running time: 2 hours 40 minutes (no interval)
Sung in German with English Surtitles



rheingold



Composer
Richard Wagner

Director
Keith Warner

Designs
Stefanos Lazaridis

Costume Designs
Marie-Jeanne Lecca

Lighting
Wolfgang Göbbel


** * ** * **

Conductor
Antonio Pappano

Woglinde
Sarah Fox

Wellgunde
Heather Shipp

Flosshilde
Sarah Castle

Alberich
Peter Sidhom

Wotan
John Tomlinson

Loge
Philip Langridge

Fricka
Rosalind Plowright

Freia
Emily Magee

Donner
Peter Coleman-Wright

Froh
Will Hartmann

Fasolt
Franz-Josef Selig

Fafner
Phillip Ens

Mime
Gerhard Siegel

Erda
Jane Henschel
Catherine Wyn-Rogers






初のワーグナーです。
おまけに「Students Special」で、3ポンドでみました。
スゴい企画。
学生のためだけの公演です。
従って、全席、通常価格の半額以下です。
£37.50 | £30 | £23 | £20 | £16 | £11 | £7.50 | £4 | £3
考えられないです。


今まで、ワーグナーは敬遠しつづけてきました。
というのも、「長い」し「重い」から。
でも、今回、眼からウロコというか、これからはワグナーもいいなと。

リングサイクル(「指輪物語を」英語でこう呼びます。)の第1話。
冒頭に3人の娘達が、ほぼ全裸状態で登場したのにはビックリ。
一緒に行ったドイツ人の友人も、空いた口が塞がらない状態でした。

時折、彼女曰く「ドイツへの典型的なイメージ」を色濃く反映させた演出や、悪い意味で「えええ!?」(distastful!!だと連呼。)という演出がありましたが、1秒も退屈しなかったそうです。Logeが赤毛で、少々道化的な要素を持っていて、その解釈がひどくイギリス的だと言っていました。あと、Wotan役のJohn Tomlinsonは、発音がとても綺麗で、全ての言葉を全部理解出来たそうです。
立ち見席だったので、肝心な部分が見えなかったりして、ガッカリでしたが、でも、現代風の演出とワーグナーの織りなす怪奇的な音楽は、なかなか見応えがありました。
それに、始終、舞台中央にある芥川のクモの糸を彷彿させる「赤いロープ」が印象的でした。
(なぜ赤なのか、不思議です。)


友人は、ドイツ人な上に、かなりオペラに対する、というより芸術に対する理解度が高いので、ただ観るというだけでなく、演出意図を深く捉えて、中々面白がってみていました。
2回も涙ぐんじゃったそうです。
が、日本人の私には「?」。苦笑
(私たちが歌舞伎や文楽をみて、古語でも理解し、身体全部で楽しむのと同じかな。)
やっぱりこの手のオペラは、哲学的だし、ドイツ思想を把握していないと、なかなか楽しむのが難しいです。文化的なことや哲学的なことは、その文化に育ってこそ、ココロに響くということを改めて、実感しました。



残りのRing Cycleも観たいと思い、チケットを早速探しましたが…
ドミンゴが出るワルキューレは、2回公演ともに全席すでに完売。(当然?)
ジークフリートもGötterdämmerungも、私が買える範囲の席は完売。
今回の指輪は、全作2回公演のようで、これもMarketingの手法なのかなと勘ぐっています。
でも、たった2回のためにすごい仕込みを日替わりでやるのだから…
チケット単価が通常より更に高いのも納得です。

今回のワーグナープロジェクトには、相当ROHも力を入れていて、特設サイトを作っています。
http://esales.roh.org.uk/ring/



どうやら確日、23席ずつ「当日券」を10時から販売するようなので、それに賭けてみようと思います。
ただいくらなのか謎なのが、怖いですが。
もしだめでも、プログラム(いつもの倍の大きさと厚さ)を手に入れたので、それを読んで我慢します。
でも、いつか近い将来、絶対に全部観ます。



今年は、ROHだけでなく、ENOにも通います。
観られるうちに、観貯めます。笑





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Dmitri Hvorostovsky
CATEGORY : [Music: Concerts/Recitals] 2007/10/15 03 : 25
2007年10月9日(火)
19:30開演
バービカンセンター
(バービカンホール)


Tuesday 9 Oct, 2007, 19:30
Barbican Hall



Bortnyansky Cherubim Song
Tolstyakov Priidite ko mne vsi truzhdajushiesa (Come to me all you who labour)
Arkhangelsky Simvol very (Symbol of faith)
Chesnokov Da ispravitsya molitva moja (Let my prayer be set forth in thy sight)
Rimsky-Korsakov Gryaznoy’s aria, from The Tsar’s Bride
Tchaikovsky Po mostu mostochku (Across the little bridge) Chorus from Eugene Onegin, Act One
Tchaikovsky Vi mne pisali (You wrote a letter) Onegin’s aria from Eugene Onegin, Act One
Tchaikovsky Budem pit i veselitsya! (We’ll drink and be merry!) Chorus from The Queen of Spades, Act Three
Tchaikovsky Yeletsky’s aria from The Queen of Spades, Act Two
Shishkin Noch svetla (The night is bright)
Fomin Tol’ko raz (Only once)
Bulakhov Gori, gori, moya zvezda (Shine on, O star of mine)
Stetsyuk Medley on Russian Folk Songs: Kalinka, Poylushko Pole and Dorogoy Dlinnoyu
Pakhmutova/Grebennikov, Dobronravov Nezhnost (Tenderness)
Pakhmutova/Dobronravov Kak molody my byli (How young we were)
Gorodovskaya/Stetsyuk In Memory of Esenin
Babajanian/Yevtushenko Ne speshi (Do not hurry)
Babajanian/Rozhdestvensky Blagodariu tebia (I’m grateful to you)

Arrangements by Evgeny Stetsyuk


Moscow Chamber Orchestra
The Academy of Choral Art, Moscow

Constantine Orbelian conductor
Dmitri Hvorostovsky baritone




朝、大学へ行く時に何気なく読んだMetro(無料新聞)。
それにデカデカとDmitri Hvorostovskyがいるではないですか。
フムフムと読んでみると、何やら褒めちぎってある。
(既に懐疑的な私は、今夜のチケットが相当売れ残ってるんだろうと予測。苦笑)
スゴい褒め様で、「A voice that's top of the ops」とトップラインに銘打ってある。

銀髪(本物?)の甘いマスクで、いかにもファンが多そうなタイプだけれど…
それにしてもコテコテで朝からアツいレビューにちょっとビックリ。

「With his rich, chocolate-cream voice and his smouldering stage presnce, Dmitri Hvorostovsky is one of the elite handful of uber-baritones who are garanteed to pack any opera house in the world.」

チョコレートクリーム…!
さらに読み進めると、

「Now surprisingly, Hvorostovsky has turned his hand to Soviet-era pop. The results, as he demonstrated in Moscow a few days ago, are thrilling; the passion he brings to them, staggering. .....(中略).... those songs make uo the finale of a recital that journeys through two centuries of Russian music, taking in sacred, opera, 'gipsy romance' and folk.」

しかも、彼自身もポップ系を歌うことでオペラとは違った内面的(心理的)変化を感じているという。
日本でも、新3大テノールの一人だとか、騒がれているので、ちょっとは気になる人物。
安い席で9ポンドだし、じゃあ、行ってみるか、と決意し、授業が終わり次第、バービカンへ直行。


お客さまは、やはりロシア系が多い。
日本人の方もチラホラ。


コンサートの感想は、漠然としていて、Dmitri Hvorostovskyを聴きにいったというより、
むしろ、ロシア音楽を聴きにいったという感じ。
彼も新聞のインタビューで言っていた通り、旧ソ連時代のポップを歌っているときの表情の方が、
とてもlivelyで、あぁ、この人の血で歌ってるなという印象が強かった。
オケの中に、ロシアの伝統楽器が入っていて、これがぐんと「ソ連」の匂いを漂わせていた。

楽しみにしていたDmitri Hvorostovskyの声は、民謡とオペラ曲以外はマイクだったので、
ボチェッリのような「柔らかい」「ミュージカル的」な声に思った。
クラシック音楽界において、マイクの仕様は、ほぼ御法度。
というより、まず選択肢にないし、それはとても「いけないこと」のような風潮がある。
これに関しては、彼も新聞で「There's a little worm inseide me, moving around, suggesting that I'm being a traitor to opera, that I'm demanding my technique.But on the other hand, I love these songs and I want to prove that an opera singer can perform them.」と言っている。
確かに、マイクを使うことで、一気に「クラシック音楽」ではなくなるけれども、今回の演奏会の趣旨には切り離せないし、オペラ歌唱法では聴くことが不可能な表現が聴けたので、これも有りかな。








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ポリーニ リサイタル
CATEGORY : [Music: Concerts/Recitals] 2007/07/12 08 : 51

マウリツィオ・ポリーニ ピアノリサイタル
Maurizio Pollini
in piano recital

2007年6月12日(火)
19:30開演
バービカンホール

Part of Great Performers 2006-2007


Chopin
Prelude Op 45
Ballade No 2 Op 38
2 Nocturnes Op 27
Scherzo No 3 Op 39
Polonaise Op 53

Liszt
Nuages Gris
Unstern
La Lugubre Gondola 1
Richard Wagner-Venezia
Sonata in B minor


●  ●  ●


ポリーニの生演奏を聴くのは、今回が2回目でした。
念願のショパンも聴けて、満足でした。

が、

やっぱりショパンは「ポリーニ節」
日本語で上手く言えませんが、彼自身が作品とが深いところでengageされていて、味わいあるショパンでした。

リストは、いわゆる「超有名作品」ではない作品が最初3曲つづきましたが、昨年だか一昨年前に横浜みなとみらいホールで聴いたシェーンベルグを彷彿させる演奏でした。リスト作品の中でも、かなり無調に近い前衛的な作品で、ポリーニの一音一音へのこだわりや、彼の練り込まれた解釈(interpretation)がまるで絵画を見ているかのごとく伝わってきました。個人的には、ショパンやリストの定番曲へのアプローチよりも、彼のこういう前衛的な作品へのアプローチの方が面白く感じられます。

アンコールが、びっくりで、3曲目になんとショパンのバラード1番。ちょうど『The Pianist(邦題:戦場のピアニスト)』を読んでいた時期だったので、もう堪りませんでした。

ところで、ポリーニがいつも決まった会社の椅子を使用する(持ち運んでいる?)ことは知られていますが、今回はピアノも持ち込まれたようで、スタンウェイのピアノの客席側全面に何やら文字が書いてありました。あれはいったい何だったのでしょう…彼の名前でもなかったし…気になります…


10月にSouthbank CentreのInternational Pianistシリーズでアンサンブルでやってきます。日本でやっていたポリーニプロジェクトに近い“にほひ”を感じます…、さてはて。







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